
<相談内容>
「現在正社員としてフルタイム勤務していますが、勤め先に『短時間正社員』制度が導入されると知り気になっています。40代以降はもう少しマイペースに働きたいのですが、勤務時間を減らす場合、マネーやキャリアプランにおいてどのような点に気を付ければいいでしょうか」
<相談者のプロフィール>
・相談者43歳(正社員、金融関連会社勤務)
-23歳で現在の会社に就職(33歳、36歳で2度の育休)
・夫44歳(会社員)
・長女10歳(小学5年生)
・長男7歳(小学2年生)
<年収と1ヶ月の収支>
- 年収:夫約700万円(うちボーナス120万円)、妻約700万円(うちボーナス150万円)
- 1ヶ月の手取り合計:70万円(夫36万円、妻34万円)
- 住居費:15万円
- 食費・日用品費:10万円
- 水道光熱費:2万7,000円
- 通信費:2万5,000円
- 保険料:8万円
- 教育費・子ども費:8万円
- 交際費:2万円
- 娯楽費:2万円
- 医療費:1万円
- 夫婦のお小遣い:8万円
- 支出合計:約59万2,000円
<資産額>
- 普通預金:800万円
- 株式投資:1,500万円
- 投資信託:1,200万円
- 計:3,500万円
ファイナンシャルプランナーからのアドバイス
- 将来の年金受取額について専門家に相談しておくと安心です
- 教育資金などすでに決まっている支出を確認しましょう
- 現在の生活コストを抑えることも検討しましょう
短時間正社員は働く時間が短い「正社員」
「短時間正社員」とは、正社員と同じ雇用条件ながら時短で勤務できる雇用形態を指します。フルタイム正社員に比べて1週間の所定労働時間が短いですが、期間の定めのない労働契約を結び、基本給や退職金等の算定方法もフルタイム正社員と同じです。また、正社員であるため社会保険も適用されます。
一般的には、「フルタイム正社員と同等かそれ以上の意欲・能力・経験があるにもかかわらず長時間働けない人」が対象となり、
- 仕事と介護、子育てを両立したい
- 日時を限定して働きたい
- 定年後も働き続けたい
といった希望を持つ人にとって、柔軟な働き方につながる可能性があります。
短時間正社員の特徴
| 雇用形態 | 正社員(無期労働契約) |
| 所定労働時間 | フルタイム正社員より短い |
| 給与 | 基本給、賞与、退職金等フルタイム正社員と同じ算定方法 |
| 社会保険 | 適用される |
将来の年金受取額を把握しておきたい
短時間正社員の給与はフルタイム正社員と同じ算定方法で算出されますが、勤務時間が短くなることで手取りだけでなく、将来の年金受取額も減る可能性があります。その場合、受取額がどのくらいになるのか専門家に相談しておくと安心です。老後の生活費を知りたい時は、「現在の生活費×0.8」で概算しましょう。
もう一つ忘れたくないのは、子どもの教育資金や住宅ローンの繰り上げ返済など、すでに予定している将来の支出に支障がないか確認することです。収入が減ることでこれまでより長く働き続ける可能性もありますので、ライフプランをご家族で話し合ってみましょう。
生活コストの見直しもできるとなお安心
現在の1ヶ月の支出は一般的には多めの金額になっていますが、世帯の手取り収入も多く毎月貯金もできているようです。ただし、今後を見据えて生活コストを抑える工夫もしたいところです。
まずは、保険料や通信費などの固定費から見直します。その次に、教育費や食費・日用品費に省けるところがないか見てみましょう。
キャリアコンサルタントからのアドバイス
収入が下がる
労働時間が短くなるため、月収や年収に大きな差が出る可能性があります。短時間正社員で働いた場合、今後のライフプランにどのような影響があるか、十分検討する必要があります。
キャリアアップが難しくなる可能性
正社員と比べて勤務時間の制限があります。そのため、成果を上げにくい、重要な案件にかかわりにくい、また、責任のあるポジションを任されにくいなどが考えられます。短時間正社員として働くことで、キャリアアップの機会を逃す可能性があります。
時間を意識した働き方が求められる可能性
労働時間の制限があることから、業務量が少なめに設定されるでしょう。しかし、その時間内に業務を完了させる習慣がつくまでは、時間に追われるような事態が発生するかもしれません。正社員より、時間を意識した効率的な働き方が求められる可能性があります。

短時間正社員はワークライフバランスを実現しつつ、正社員として働くことが叶う働き方です。メリット、デメリットも含めて検討してみてくださいね。