
<相談内容>
「子どもが生まれてから20年近くパート勤務で、最近まで厚生年金にも入っていませんでした。このままでは年金が足りないのではと不安です。年金がいくらもらえるのか、老後資金はいくら必要なのかどのように調べればいいでしょうか。仕事面でできる対策についても知りたいです」
<相談者のプロフィール>
・相談者52歳(パート勤務(ドラッグストア))
-28歳で金融機関を退職、34歳からパート勤務
・夫53歳(会社員)
・長男24歳(社会人)
・長女20歳(大学生)
<年収と1ヶ月の収支>
- 年収:夫約680万円(うちボーナス150万円)、妻約170万円
- 1ヶ月の手取り合計:43万円(夫33万円、妻10万円)
- 支出合計:38万円
- 貯金:8万円
<貯金額>
- 普通預金600万円
- 個人向け国債200万円
- その他、財形貯蓄など150万円
合計950万円
ファイナンシャルプランナーからのアドバイス
- 「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で大まかな年金受取額がわかる
- 自分が送りたい老後生活をイメージして、必要な老後資金を計算しよう
- 多く働いて厚生年金保険料を多く納める、イデコに加入するなど今からでもさまざまな対策ができる
「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を見てみよう
自分が将来受け取る年金額を知るには、毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」や日本年金機構の「ねんきんネット」を見てみましょう。ねんきん定期便では、
- 保険料納付額
- 月別状況(直近13月)
- 年金加入期間
などがわかりますが、50歳以上の場合はこのほかに、「老齢年金の種類と見込額」がわかります。また、日本年金機構のサイト「ねんきんネット」の「かんたん試算」を利用すれば、現在と同じ条件で、60歳まで年金制度に加入し続けた場合の将来の見込額が試算できます。
必要な老後資金を知るには、まずは希望する老後生活をイメージする
必要な老後資金は人によって異なりますので、まず、「自分はどのような老後生活が送りたいのだろう」とイメージしてみましょう。
総務省の「家計調査報告(家計収支編)2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の1ヶ月の支出合計は28万6,877円(消費支出25万6,521円、非消費支出3万0,356円)となっており、夫婦2人の老後生活でも1ヶ月に約29万円かかることがわかります。
これは、最低限の生活を送るのに必要な金額ですので、もし、趣味や旅行を楽しむ「余裕のある生活」を送りたいなら、いくら必要だろうと考えてみましょう。
そのうえで、自分で準備する老後資金を知るには、以下の計算式で求められます。
<自分で準備する老後資金の計算式>
※90歳まで必要と仮定する
- 無年金期間(61~64歳)の生活費: 毎月の生活費×12ヶ月×5年間
- 65歳以降の生活費: 公的年金だけでは足りない金額×12ヶ月×25年間
- 生活費以外に必要なお金: 介護や病気に備えるお金約200~300万円、リフォーム費用(マンション約300万円、戸建て約500万円)
(①+②+③)-退職金など老後に使えるお金=老後までに自分で準備するお金
50代の今からでも多く働くことで老後資金の対策ができる
50代になり、「老後資金が足りなそう」と不安を抱く人は少なくありません。それでも、今からできる対策はいろいろとあります。まずは、多く働き厚生年金保険料を多く納め、将来受け取る年金額を増やすこと。また、イデコ(iDeCo、個人型確定拠出年金)を利用して自分で資金を積み立てることも可能です。
さらに、2024年1月から始まった新NISAを使い、リタイアまで運用を続けるのもいいでしょう。イデコやNISAは利益に対する税金がかかりませんので、効率良くお金が増やせます。

キャリアコンサルタントからのアドバイス
社会保険加入のパートに切り替える
パートであっても、週の労働時間などにより社会保険の適用を受けられる場合があります。現在の労働時間を増やして、社会保険適用条件を満たす働き方を検討してみてはいかがでしょうか。勤務日数や給与について、ご家族とも相談されて、無理ない範囲で働けるか検討してみましょう。
パート先で雇用形態を切り替える
現在の職場で正規雇用への転換を希望するのも一つの方法です。正社員になることで、社会保険の充実やボーナス、昇給といった福利厚生が受けられ、結果として老後の年金額にも良い影響を与えます。まずは、上司や人事担当者に正規雇用への意志を伝えて確認してみてください。
副業を始める
副業は、空いた時間を有効活用して、追加の収入源を得られる、というメリットがあります。例えば、写真撮影やデータ入力などの仕事からはじめて、徐々に仕事の幅を広げていくことも可能です。重要なのは、無理なく続けられそうなものから始めること、時間管理をしながら計画的に進めていくことです。