
今のライフスタイルに合った仕事を見つけたい!と思い立っても、なかなか簡単にはみつからないものですよね。 今回お話を伺った大原日登美さんも、ご結婚、出産を経て、育児が落ち着いた頃お仕事探しを始めたのですが、転勤族ということもあり、なかなか見つかりませんでした。
しかし、友人や知人にその現状を話したのをきっかけに、現在は在宅で複数の業務委託を掛け持ちしながら自分らしい働き方を実現。「時間の自由」を得て、心の余裕が生まれ、ご家族との時間も楽しんでいます。
そんな充実した毎日を送る大原さんに、今に至る軌跡を伺いました。
複数の在宅ワークを掛け持ちして働く。
━━現在のお仕事内容について教えてください。
現在は、在宅で複数の業務委託を掛け持ちしています
一つ目は、「キャリア・マム」という在宅ワークサイトで、画像収集や書店の覆面調査員、アノテーション業務、AIの文字起こしなど、様々な業務を行っています。
自分の興味のある仕事に応募して、楽しみながらスキルを広げています。
二つ目は、友人の紹介で始めた出版社の業務です。本の校正やインスタグラム、メールでの著者スカウト他、事務的なことや人が足りていないときのお手伝いもしています。
さらに別の友人の紹介でシンガーソングライターの方の事務代行もしています。請求書作成や売上管理、帳簿整理などを担当。
他にも知人の紹介で市長選挙のSNS更新を担当したこともあります。
在宅でできる範囲の仕事を、ご依頼があれば、その時々の状況に合わせて頑張るといったスタイルでやっています。

「言ったもん勝ち!」で人とのつながりが仕事を運んできた。
━━どうやってこれほど多様な仕事を見つけられたのかという点に大変興味を持ちました。
キャリア・マムは、県が主催していた「在宅ワーク初心者講座」を受講したことで知りました。
出版社の仕事は、その出版社に勤める友人からの紹介がきっかけでした。「夫が転勤族なので長く勤務できず、パートの面接で結構断られてしまうし、長期休みの時に子どもの預け先がない」と友人に話したところ、「うちで働いてみる?在宅勤務もできるので、転勤しても続けられるよ!」と声をかけてもらって始めました。
シンガーソングライターの事務も、また別の友人の紹介です。その友人にも同様の相談をしていたことがあり、それを覚えていてくれて1年後に声をかけてくれました。彼女はネイリストなのですが、お客様がそのシンガーソングライターさんで、事務をできる人を探しているという話題になり、声をかけてくれたようです。
そして、市長選の仕事も在宅ワーク講座の講師からのご紹介でした。
今の仕事のほとんどは、人とのつながりから生まれています。少しのきっかけでもいいから、自分の現状や困り事、希望などは声に出して言ってみることが大事だと思います。「言ったもん勝ち」と感じています(笑)。
銀行員から在宅ワーカーへ。転機は「転勤」と「出産」。
━━以前までの働き方、仕事内容を教えてください。また、今の働き方に変えようと思ったきっかけは何でしょうか。
以前は新卒で地方銀行に入行し、結婚、出産までの8年間勤めていました。
仕事は窓口業務や出納、後方事務、個人ローンなどです。それ以上の仕事は資格取得が必要でしたが、そこまでは考えませんでした。
━━続けようと思えば続けたかったという感じでしたか?
夫が転勤族ですし、銀行員だと実家が近くにないと育児との両立は難しいと思いました。また、自分も銀行員が向いていないな……と感じていたので、戻るという選択肢は考えませんでした。
その後は、2人目の子どもが幼稚園に入ったタイミングで、近所のおしゃれなカバン屋さんでパートを8か月していました。商品撮影や画像加工を担当して、学びも多くありました。とてもよくしていただいたのですが、第三子の妊娠が分かり、体調的に仕事が辛くなりました。育休取得も可能だったのですが、夫の転勤があった場合戻れないので、退職することを決断。それはとても残念でしたね。
そして、3人目の子が幼稚園に入る前ぐらいに再び働くことを考えて、今の働き方になった感じです。
━━現在の働き方と銀行時代の働き方を比べた時、一番変わったことは何ですか?
やはり自由が利くことですかね。
銀行勤務のときは、自分が辛いなと思う仕事もやらなければいけなかった。
今の働き方は、自分が苦手なことは避けようと思えば避けられるし、自分のペースで学びながら仕事をする選択もできる。今は仕事環境にも恵まれ、楽しく仕事ができています。
また、在宅勤務で自分の時間を持てるようになりました。ジムに行ったり、学びを深めたり、刺激を受けるのがすごく有意義な時間だと感じています。
学びでスキルアップ!在宅ワーク講座で自信を得る。
━━現在の働き方において、スキルや知識をどのように身につけましたか?
出版社の仕事は最初、友人に教えてもらいながら行っていましたが、PC作業などでスキルが不十分と感じていました。
そこで、ネットで見つけた県のIT人材育成事業の講座を受講しました。4か月間の講座で、在宅ワークに必要なITスキルやAI活用の他に、企業へのインターンや個別相談もありました。
今までなんとなく使っていたパソコン操作の意味が分かるようになり、仕事のスピードが上がり、仕事の幅も広がりました。以前は「何からやったらいい?」みたいな状態だったのが「こうしたら、もっと効率化できるかも!」と、少しずつ自分で考えながらこなせるようになってきました。
今年度も引き続き講座を受講しています。仕事を続けるなら、学びを止めないことが大事だと思っています。

以前の働き方と今の働き方。ビフォーアフターの変化とは?
①やりがいについてはいかがですか?
銀行でのやりがいは、お客様にありがとうと言われるのが嬉しかったです。お客様の目線に立った仕事を心がけていました。しかし、融通が利かない部分があったり、日々の業務をこなすのに精いっぱいで、自分の気持ちと会社の方針の葛藤に苦しんだ時期もありました。
相手のことを考えて仕事をすること、それは今も変わりませんが、自分の裁量でできる範囲が広がっているのは大きなやりがいです。
また、新しいことを覚えるのが楽しく、仕事を通して成長を実感しています。今は自分で選んだ仕事が誰かの助けになっていることがより大きな達成感につながっています。
②収入に対してはいかがですか?
収入については、以前のパートより少し少ないくらいです。
自分の空き時間で無理なく働いているということを考えると、収入が少し低いのはそこまで気にならないですね。
自分のペースで働けて、自分の時間や家族との時間も確保できるので満足しています。
③生活スタイルについてはいかがですか?
以前は片道1時間の通勤時間と1日8時間の勤務時間で拘束されていたので、自分の趣味や気になるセミナーに行けないなどジレンマがありました。
しかし、今は時間の設計は自由になりました。
休日も仕事や予定の配分を考えながら自由に取っています。
仕事時間は、その時々で変わりますが、家事が終わる9時くらいから子供のお迎えがある15時までが中心です。その後仕事をするときもありますが、子どもと一緒に就寝できることも多くなり、身体が楽です。
━━ご家族とのかかわりはいかがですか?
子どもが小さい頃は、在宅の仕事でも両立が大変でした。仕事が終わらない時は、休日に主人に面倒を見てもらっていました。今は、上の子たちが協力的で、自主的にお手伝いをしてくれます。
━━素敵なお子様たち。ご両親の育て方の賜物ですね。
いえいえ、勝手に育った感じです。私より偉いなと思ったりします(笑)。
④今のお仕事で大変さや苦労する点などありますか?
在宅勤務は、コミュニケーションが難しいことがあります。テキストでは意図が伝わりづらく、モヤモヤすることもありますね。少しマイナス思考になったり、孤独を感じる時もあります。
そんな時は信頼できる友人に話して気持ちを整理。それで解決しない時は、「いいように考えて」スパッと切り替えています。
あと、担当は夜型の方も多くて、夜中にLINEがはいることがありました。
以前は対応していて、寝不足に。そこで、「自分の生活を優先する」と決めて、スマホは別の部屋に置くようになりました。体調管理の維持には、特に気を配っています。
また、納期が重なるとパンクしそうになることもありますが、その場合は納期交渉やスケジュール調整で乗り切ります。
自分の状態を冷静に把握することが大事だと感じています。

自分に正直な働き方は、心に余裕が生まれ、楽しくなる!
━━働くことや生活する上でモットーとしていることはありますか?
「何でも楽しくやること」ですかね。楽しく、絶対無理しないようにしています。
あえて苦手な事を仕事でやらなくてもいいかなと思いました。(なぜか私は算数が苦手なのに銀行員になりました)。
自分で言うのもなんですけど、実は頑張り屋さんなので、若い頃は体裁を気にして無理していたんだと思います。けれど、それはやはり良くない。
自分に正直に、少しでも自分が楽しくできるように工夫してやるようにしてます。
━━働き方や仕事を変えたいと考えている人にアドバイスをお願いします。
きっと昔の私のように、色々なことに無理をして働いている方は多いのではないかと思います。
大人になると人生の3分の1は仕事です。働き方も多様化しているので、自分の気持ちに正直に、決して無理をせず、自分が働きやすい仕事のやり方を見つめ直してもらえたらと思っています。
私は今、以前より稼げてはいませんが、家庭優先で毎日気持ちよく働き、充実した生活ができています。
心に余裕があると、周りの人にも優しくなれるし、仕事も楽しく、生活の質も上がると思います。
最初から完璧にやろうとしなくて大丈夫。ぜひ、焦らず、マイペースで自分に合ったスタイルを見つけくださいね。