
「もっと自由に働きたい」「副業を本格的な事業にしたい」。そんな思いから起業に興味を持つ40代女性が増えています。しかし、「何から始めればいいのかわからない」「開業届は提出した方がいいの?」と、不安を感じる人もいるでしょう。起業というと特別なことに思えるかもしれませんが、副業や小規模な事業から始める人も少なくありません。この記事では、40代女性が起業しやすい仕事や開業届の基礎知識、起業前のポイントをわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- 40代女性の起業は増えており、開業者に占める女性の割合は過去最高を更新している
- これまで培ってきた経験や知識は起業の強みとなり、少ない資金から始められる仕事もある
- 開業届は個人事業を始めた際の基本的な手続きで、青色申告や事業用口座の開設につながる
- 起業は相談窓口を活用しながら、一歩ずつ進めることが大切
起業や開業届について知りたい40代女性向けに、起業事情や始めやすい仕事、開業届の役割を解説します。起業前に考えたいお金の管理や相談先も紹介し、自分らしい働き方への第一歩をサポートします。
目次
- 40代女性の起業が増えている理由
- 女性の起業は珍しいものではなくなっている
- 40代女性には起業に活かせる経験がある
- 起業は特別な人だけの選択肢ではない
- 40代女性が起業しやすい仕事とは
- これまでの経験を活かせる仕事
- 自宅で始めやすい仕事も増えている
- 少ない資金で始められる仕事を選ぶ方法もある
- 起業するときの開業届とは
- 開業届は個人事業を始めたことを税務署へ知らせる書類
- 開業届を出した方がいい人とは
- 開業届を出すメリット
- 開業届を出す前に知っておきたい注意点
- 開業届はオンラインで提出することもできる
- 起業前に考えておきたいポイント
- どんな人にサービスを届けたいか考える
- お金の管理方法を決めておく
- 売上が出るまでの期間も見込んでおく
- 一人で悩まず専門家に相談する
- 小さく始めることが自分らしい起業への第一歩
40代女性の起業が増えている理由
女性の起業は珍しいものではなくなっている
近年、自分らしい働き方を求めて起業する人が増えています。起業というと若い世代のイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし実際には、40代を過ぎてから起業に踏み出す人も増加傾向です。日本政策金融公庫総合研究所「2025年度新規開業実態調査」(2025年12月)によると、開業時の平均年齢は43.9歳と過去最高を更新しました。また、年代別では40代の開業割合が36.9%と最も高くなっています。
同調査によると、女性起業家の割合は4年連続で上昇し、25.7%と過去最高となりました。子育てやこれまでのキャリアで培った経験を活かし、自分らしい働き方を目指す女性にとって、起業は選択肢のひとつになりつつあります。

起業というと多額の資金が必要なイメージがあるかもしれません。しかし最近では、自分の強みを活かし、無理のない範囲で始める「スモールスタート」も選ばれています。まずは必要な資金を確認し、「いくらなら無理なく始められるか」を考えてみましょう。
40代女性には起業に活かせる経験がある
40代は仕事や子育てを通じて、多くの経験を積んできた年代です。会社員として身につけたスキルだけでなく、人との関わり方や問題解決力も大きな強みになります。
日本政策金融公庫総合研究所「2025年度新規開業実態調査」(2025年12月)によると、開業者の97.6%は開業前に勤務経験があります。この結果から、これまでの経験を活かして起業するケースが多いことがうかがえます。
起業は特別な人だけの選択肢ではない
起業というと、革新的なアイデアや特別な資格が必要だと思う人もいるかもしれません。しかし近年は、ライターやオンライン秘書、講師業など、小規模から始められる仕事も増えています。また、インターネットを活用すれば、自宅にいながら商品やサービスを提供することも可能です。「起業家」と聞くと遠い存在に感じるかもしれませんが、まずは副業や小さな事業から始める方法もあります。
40代女性が起業しやすい仕事とは
これまでの経験を活かせる仕事
40代女性の強みは、これまで積み重ねてきた経験です。たとえば事務経験があればオンライン秘書や事務代行、接客経験があれば講師業やコンサルティングなどにつながる可能性があります。新しいスキルを身につけることも大切ですが、まずはこれまでの経験を振り返ることから始めてみましょう。
自宅で始めやすい仕事も増えている
近年はインターネットを活用した働き方が広がっています。ライターやWebデザイン、オンライン講師などは、自宅で始めやすい仕事の一例です。通勤時間を最小限にして働けるため、家庭との両立を目指す人にも向いています。
少ない資金で始められる仕事を選ぶ方法もある
起業というと多額の資金が必要なイメージがあります。しかし、パソコン1台で始められる仕事や、自分の知識や経験を提供するサービスであれば、大きな初期費用をかけずにスタートできます。まずは副業として始め、収入や需要を確認してから事業を拡大する方法も選択肢のひとつです。
40代女性が始めやすい起業例

起業するときの開業届とは
開業届は個人事業を始めたことを税務署へ知らせる書類
個人で事業を始めたときは、税務署へ開業届を提出します。事業を始めるための許可を得る書類ではなく、「事業を始めました」と税務署へ届け出るためのものです。近年は副業から事業を始める人も増えており、会社員やパートとして働きながら開業届を提出するケースもみられます。
開業届を出した方がいい人とは
一時的な収入や趣味の範囲であれば、開業届の提出が必要とは限りません。ただし、継続的に収入を得る事業として取り組む場合は、提出を検討しましょう。たとえば、ライターや講師、ハンドメイド販売、オンライン秘書などを本業や副業として続けていく場合は、開業届を提出することで事業としての位置付けが明確になります。将来的に売上を伸ばしたい人は、提出するタイミングを考えておくとよいでしょう。
開業届を出すメリット
開業届を提出するメリットのひとつが、青色申告を利用しやすくなることです。青色申告とは、一定の条件を満たすことで税制上の優遇を受けられる確定申告の方法です。要件を満たすと、最大65万円の青色申告特別控除を受けられます。利用するためには、原則として開業届とあわせて「所得税の青色申告承認申請書」を提出します。最近は会計ソフトやアプリも増えており、帳簿付けや確定申告の負担を軽減しやすくなっています。
また、開業届を提出すると、事業用の銀行口座を開設できるようになります。生活費と事業のお金を分けて管理できるため、収支の管理がしやすくなります。補助金や助成金、融資を利用する際に、開業届の控えを求められるケースもあるため、将来的に事業を広げたい人にとってもメリットがあります。
さらに、開業届を提出することで「趣味」ではなく「事業」として向き合う意識が生まれることもあります。売上や経費を記録したり、事業の目標を考えたりするきっかけにもなるでしょう。事業を始めたばかりの段階では大きな変化を感じないかもしれません。しかし、長く仕事を続けていくことを考えると、開業届は将来に向けた土台づくりのひとつといえます。

開業届を出す前に知っておきたい注意点
開業届にはメリットだけでなく、注意しておきたい点もあります。たとえば、開業後は収入や経費を記録し、確定申告を行う機会が増えるため、慣れない人にとっては戸惑うこともあるかもしれません。とはいえ、最初から難しく考える必要はありません。事業用の口座を決めたり、レシートや領収書を保管したりする習慣をつけておくことで、お金の流れを把握しやすくなります。
また、配偶者の扶養に入っている場合は、収入や働き方によって扶養から外れる可能性もあります。扶養から外れると、社会保険料の負担が発生したり、税金の取り扱いが変わったりするケースもあるため、加入している健康保険や勤務先のルールを確認しておきましょう。
退職後に起業を考えている人は、失業給付との関係にも注意が必要です。開業届を提出すると、受給に影響する場合があります。一方で、2022年7月以降に事業を始めた人は、一定の条件を満たせば受給期間の特例を利用できるケースもあります。制度の対象になるかどうかは個別の状況によって異なるため、事前にハローワークで確認しておくと安心です。
開業届はオンラインで提出することもできる
開業届の提出は、以前、税務署へ持参、もしくは郵送する方法が一般的でした。現在はe-Taxを利用して、オンラインで提出できるようになっています。提出方法や利用できる端末は手続きの内容によって異なるため、国税庁の案内を確認しながら進めましょう。
起業前に考えておきたいポイント
どんな人にサービスを届けたいか考える
起業というと、まず商品やサービスを考えなければならないと思う人もいるかもしれません。商品やサービスを考えることも大切ですが、「誰の役に立ちたいのか」を考えることも重要です。たとえば、子育て中の母親をサポートしたいのか、シニア世代の悩みを解決したいのかによって、提供するサービスや必要な準備は変わってきます。まずは、自分の経験や強みがどのような人の役に立つのかを整理してみましょう。
お金の管理方法を決めておく
起業したばかりの頃は、生活費と事業のお金が混ざりやすいものです。そのため、事業専用の口座を用意しておくと、お金の流れを把握しやすくなります。必ずしも新しい口座を開設する必要はなく、事業用として使う口座をひとつ決めておくだけでも十分です。
また、事業に関係する支出は経費として計上できる場合があります。仕事に必要な書籍代や交通費などのレシート、領収書は保管しておくことが大切です。最近はスマートフォンでレシートを撮影して管理できる会計アプリもあります。開業前からお金の記録を残す習慣をつけておくと、確定申告の際もスムーズに対応しやすくなります。
売上が出るまでの期間も見込んでおく
起業したからといって、必ず売上を上げなければならないわけではありません。事業の準備期間や集客期間が必要になることも多いため、まずは経験を積みながら少しずつ事業を育てていくことが大切です。ただし、利益を出そうとする姿勢や、続けていく実態が伴わない場合は、税務上「事業」として扱われないこともあります。
一人で悩まず専門家に相談する
起業に興味があっても、「何から始めればいいかわからない」という人は少なくありません。そんなときは、創業支援を行う相談窓口を活用する方法があります。商工会議所やよろず支援拠点では、事業の進め方や資金計画について相談できます。
地域によっては、税理士や中小企業診断士による無料相談会を実施していることもあります。わからないことを一人で抱え込まず、専門家の力を借りながら進めることで、安心して第一歩を踏み出しやすくなるでしょう。

小さく始めることが自分らしい起業への第一歩
開業届は個人事業を始める際の基本的な手続きです。提出したからといって、すぐに売上を上げなければならないわけではありません。事業の方向性を考え、お金の管理や記録を整えながら、一歩ずつ進めていくことが大切です。
新しい働き方への挑戦を考えるとき、「自分にできることはあるのだろうか」と不安に感じる人もいるでしょう。しかし、40代女性の場合は、これまで積み重ねてきた経験や知識の中に事業のヒントが隠れていることもあります。
たとえば、家事や子育てで身についた知識や経験は、困っている誰かの悩みを解決するヒントになることがあります。自分では当たり前だと思っていることが、誰かの役に立つこともあるのです。
開業に不安があれば、商工会議所やよろず支援拠点などの相談窓口を活用してみましょう。専門家のアドバイスを受けることで、自分では気付かなかった課題や可能性が見えてきます。

まずは自分にできることを整理しながら、情報収集や専門家への相談から始めてみてはいかがでしょうか。小さな一歩が、自分らしい働き方につながるかもしれません。