
みなさんはいつも、どのようなSNSを利用していますか?
家族・友人との連絡にLINE、気軽につぶやくX、写真や動画を楽しむInstagram……。連絡だけのために使っている人、見るだけの人、投稿している人、使い方もお気に入りのSNSも人それぞれかと思います。
「SNSを見るのが好き」、「ふだんから投稿している」という方は、SNSで発信することを仕事にしてみませんか?それが、SNS運用代行という仕事です。
この記事で分かること
- 私たちの生活に欠かせないSNSはマーケティングツールとしても利用されている
- SNS運用代行とは企業や個人事業主の代わりにSNSを使って広報活動をする仕事
- ミドルエイジ世代はSNS運用代行でこれまでの経験を活かせる
- SNS運用代行をしたいなら企業へ就職するほかフリーランスで働くなどさまざまな方法がある
目次
- SNSはなぜこれほど拡大したのか?
- SNSは企業にとっても重要な広報ツール
- 企業アカウント運営のメリット
- 一方で、SNS運用に苦労している企業も多い
- SNS運用代行とは、どんな仕事? ミドルエイジからでも始められる?
- 企業や団体の「顔」としてマルチに動く伴走者
- 具体的な業務の例
- ミドルエイジからでも始められる?
- 報酬の相場は?
- 報酬体系の例
- 何で評価を得るか
- これからSNS運用代行をめざす人へ、案件獲得の方法は?何から始める?
- 案件獲得方法…企業に属する、もしくはフリーランスとして動く
- 代行案件を増やすには?
- 初心者におすすめのSNSは?
- 特技を活かして、企業広報の一翼を担おう
SNSはなぜこれほど拡大したのか?
SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)は、インターネット上のコミュニケーションツールとして1990年代後半に誕生しました。日本では2000年代半ばに登場したmixiを皮切りに、文字や画像、動画を用いた新しいプラットフォームが次々と登場し、めざましい発展を見せています。
ここまで普及した最大の要因は、無料で始められること。そして、スマートフォンのシェア拡大です。いつでもどこでもアクセス可能で、紙媒体やテレビよりも圧倒的に早く情報を発信・共有できる点が、SNSの成長を後押ししました。
特に、2011年の東日本大震災をきっかけに誕生したLINEは、音声通話機能があり、電話番号やメールアドレスなどの個人情報を交換しなくても友だち登録が可能なことから爆発的に利用者が増えました。いまや日本人の約95%がLINEを利用していると言われています(図表1)。Xは約半数、Instagramは60%以上が利用しており、SNSは現代の生活に欠かせない存在となりました(図表2)。


SNSは企業にとっても重要な広報ツール
(1) 企業アカウント運営のメリット
この流れを受けて、近年、多くの企業や団体がSNS運用に力を入れています。ビジネス利用の場合も、初期費用のかからない広告ツールとしてSNSは魅力的なのです。旧来のダイレクトメールやチラシにかかる紙のコストや郵送費が削減されるうえ、LINE公式アカウントはメールよりも格段にユーザーの開封率が高いとされています。
自分の興味のある話題が次々とタイムラインに表示され、ハッシュタグ機能によってさらに関連投稿が閲覧できるため、ユーザー自ら情報を求めて企業アカウントへアクセスするという行動が生まれました。ユーザーから直接感想や要望を受け取って商品開発やサービス改善に活かせるといったメリットもあり、重要なマーケティングツールとして位置付けられています。
(2) 一方で、SNS運用に苦労している企業も多い
企業やお店の魅力をアピールするには、有効性が非常に高いSNS。しかし、広報体制がしっかりしている大企業に比べて、中小企業や個人事業主ではSNS運用のための予算や時間の確保が難しく、SNSをうまく活用できない、継続できないといった慢性的な悩みを抱えています。
また、SNSはプラットフォームごとに機能や投稿方法に特徴があり、見せ方の工夫も必要です。ユーザーの利用者層も異なります。そのため、「誰に対してアプローチしたいか」によって、投稿内容が変わってきます(図表3)。

SNSの特徴をふまえつつ、日々大量に流れていくタイムラインの中で、いかにユーザーに興味を抱かせ、操作する指を止めさせるか。多くの中小企業や個人事業主ではそうした細かな点まで配慮が難しく、ノウハウもないため、有効なツールでありながら利点を活かしきれずにいるのが実情です。
そこで、SNS運用をプロフェッショナルに任せる、「SNS運用代行」を依頼する企業・個人が増えています。
SNS運用代行とは、どんな仕事?ミドルエイジからでも始められる?
(1) 企業や団体の「顔」としてマルチに動く伴走者
SNS運用代行とは、端的に言えば、企業や個人に代わり、SNSのアカウントを運用して成果を出す仕事です。
投稿する内容は、クライアントの業種や宣伝したい事柄、コンセプトによって大きく異なります。商品を販売している会社であれば、新商品やキャンペーンの告知。飲食店であれば、おすすめメニューやお店の紹介。期間限定のイベントプロモーションや、特定のキャラクターを演じるアカウントもありますし、最近では自治体や公共施設、医療機関や非営利団体などもアカウントを持っています。
個人で活動するワーカーやクリエーターで、多忙により自身のアカウントの発信が滞って悩んでいるという人も少なくありません。クライアントの要望をよく理解し、企業イメージや知名度を向上させ、手の回らない部分をきめ細やかにサポートする……SNS運用代行とは、いわば企業広報の伴走者です。
(2) 具体的な業務の例
具体的な業務として、たとえば以下のようなものが挙げられます(図表4)。

何をいつどんなふうに発信するか、内容に合わせて構成・文章を考え、検索や関連表示に上がりやすい文言・タグを選定します。読みやすく文字数を調整する、記号や絵文字、画像・動画を使うなど、視覚的な工夫も必要です。見た人の遷移行動(投稿を見てどんなリアクションを取ってほしいか)を意識し、リンクの追加や投稿のタイミング(日程や時間帯)・頻度にも気を配ります。
契約内容によっては、投稿に対するユーザーからの反応やシェアの状況をチェックするほか、アクセス解析、投稿による波及効果の分析も行います。コメントやDMで質問・問い合わせが来た際、代理で回答する場合もあり、まさしく企業の「顔」として、一定の責任を負うことになります。
業務内容や職務範囲はクライアントとの取り決めによって異なりますので、仕事を引き受けるときはあらかじめ内容をよく確認しておきましょう。
(3) ミドルエイジからでも始められる?
SNSというと若者のイメージがあるかもしれませんが、図表3でも紹介したように、ユーザー層は全年代に分布しており、中でも40代~60代の利用率が高まっている傾向にあります。
SNS運用代行業務は、最新のトレンドを見極める目もさることながら、多くの人に共感を与える表現力やマーケティング力、提案力、クライアントとの円滑なコミュニケーション能力も同時に必要です。40代以降のミドルエイジにとっては、これまでの社会経験が大きな武器となるでしょう。消費者目線、主婦目線、親目線など、さまざまな視点から物事を捉えられる点も、ミドルエイジの強みです。
報酬の相場は?
(1) 報酬体系の例
報酬に関しては、「1投稿につき〇○円」の単価積み上げ方式や、「月額固定で月何件まで投稿」といった「まるめ」方式、基本料やアクセス解析費、DM対応オプションなど、契約内容によって設定はさまざまです。単純に投稿だけを代行する場合や、投稿の結果を分析して経営改善提案まで行うフルサポートプランなど、多様な形態が考えられます。
一例として、Xにおいてフリーランスで契約を結ぶ場合、以下のような料金形態があるとします(図表5)。

このケースでは、月20件程度の投稿+画像付きの臨時投稿2回で、月3万円強が目安です。Instagramの場合は画像メインのため制作費が上乗せとなり、リール動画やストーリーズなどの制作費も加わると、月5~10万円程度の報酬も期待できるでしょう。
コメント対応やDMへの返信でプラス報酬となる場合もありますし、SNS発信の効果が実証できれば、さらなるインセンティブも期待できます。企業アカウントは「認知度向上のために投稿し続けたい」という一番の目標がありますから、継続受注できれば長期的な安定収入にもつながります。
(2) 何で評価を得るか
SNS運営業務の結果は、どのように評価されるのでしょうか。まずは、「発信し続けること」です。「平日毎日投稿」や「イベント開催までに〇〇回投稿」など、事前に約束した投稿目標を達成しているどうかは、最低限の評価基準となります。
これに加えて、投稿の閲覧件数、共有・シェアの数、リンクやプロフィールのクリック数、コメントの数や内容など、目に見える数値を成果として積み上げていきます。フォロワーの増加数も立派な評価項目ですし、ユーザーを直接フォローして認知度を高める方針をとっている企業アカウントの場合、毎月新規でフォローしたユーザー数も評価の対象となります。
投稿から一定期間の間に、ホームページのアクセス数や注文数が増えた、商品の売り上げが上がった、イベントの来場者が増えたなどの事象が確認できれば、より高評価につながります。
これからSNS運用代行をめざす人へ、案件獲得の方法は?何から始める?
(1) 案件獲得方法…企業に属する、もしくはフリーランスとして動く
SNS運用代行の仕事を受注するには、いくつか方法があります。
一つは、運用代行を展開する企業に就職、あるいは業務委託契約して、その企業の受注する案件を引き受けるやり方です。クライアント先への営業活動は不要で、案件も比較的容易に獲得できますが、運用代行会社の規則や方針のしばりがあったり、自分の希望するジャンルではない業種やSNSの担当になったりする可能性もあります。
もう一つは、フリーランスとして自らクライアントを獲得する方法です。フリーランスの場合、案件獲得のために営業活動が不可欠であり、自分でホームページやSNSを運営して広報に努めるほか、クラウドソーシングサービスに登録する、直接企業・個人へ営業をかけるなどして、顧客を獲得します。自分で委託先を開拓していくため、特技を活かした売り込みができ、運営のアイデアを直接クライアントと交渉して実現できる面白さもあります。
(2) 代行案件を増やすには?
未経験から始める場合、初期はクライアントの獲得が難しいかもしれません。まだ一度も案件を受注したことのない人は、小さなアカウントでも構わないので、運用実績を一つでも多く積むことをおすすめします。
- 自分自身の趣味や経験を個人アカウントから発信
- SNS運用代行のフリーランス業者としてアピール事項を発信
- 知人や身近な人が営む会社・お店に対してSNS運営を提案
- 地域や趣味等のコミュニティでSNSの管理を担当
初めは収益につながらなくても、コツコツ投稿を続けるほど運用実績として積み上がり、「自分はこんな投稿ができる」というポートフォリオの代わりにもなります。運用代行業者としてアカウントを作っておけば、クライアントからの問い合わせ窓口としても使えて一石二鳥です。SNSの機能は日進月歩で進化していますので、日々研究しながら、来るべき運用代行の依頼に備えましょう。
(3) 初心者におすすめのSNSは?
SNS運用代行は、パソコンやスマホがあればいつでもどこでも作業できるため、初心者でも比較的始めやすい仕事です。初めて運用代行に挑戦する際は、自分がふだん一番利用しているSNSからスタートすると取り組みやすいかもしれません。
文章が得意という方には、まずはXがおすすめです。140字の文字制限の中に情報をぎゅっと詰め込み、必要があればリンクやハッシュタグも追加します。画像は必須ではありませんが、最大4枚まで添付が可能なので、できれば画像編集の知識も備えておくといいでしょう。
利用率が高いのはLINEですが、LINEは企業アカウントからの配信方法がふだんのメッセージのやり取りとは異なるので、事前にある程度の研修が必要です。
画像制作が得意な方は、Instagramがいいでしょう。リールやストーリーズを作るための動画編集スキルもあると、より案件が受注しやすくなります。
動画編集スキルをお持ちの方は、ぜひYouTubeやTikTokに挑戦してみてください。動画の企画や撮影、編集を通じて、クリエータースキルをいかんなく発揮できます。
特技を活かして、企業広報の一翼を担おう
SNS運用代行とは、最新のトレンドを取り入れながら、企画、構成、執筆、デザイン、画像編集、動画編集、マーケティング……と、多岐にわたるスキルを発揮できるお仕事です。
企業活動の活性化や売上目標の達成に貢献でき、ユーザーからの反応をリアルタイムで共有できるなど、目に見える成果を実感できます。
人と関わることが好きな人、人やモノ、場所の魅力を発信するのが好きな人は、ぜひこれまでの経験を活かして、SNS運用代行に挑戦してみてはいかがでしょうか。