こんにちは! 終活えんとらすと の山口聖子です。
最終回になる4回目の今回は、終活は元気だからこそできるということをお伝えしたいと思います。

死生観の違いと終活

 

キリスト教の信者の方々に伺うと、死に対する恐怖があまりないように思います。
亡くなった後は、神様のもとへ行き、穏やかに安心して過ごせるからと。
死への考え方が潔いと言いますか、命は尽きるものだから生きている時間を有意義にし、終活に対しても、あまり重たく考えずに家族と話し合っているようです。
一方、多くの日本人は無宗教であっても、結婚式は教会や神社、ホテルなどで行いながらも、葬儀はおよそ7割が仏教で行われています。
子どもの頃、噓をついたり悪いことをすると地獄へ落ちるとか、天国へ行けないなどと言われて育った世代にとって、死は人生を顧みると不安になったり、怖いものとして捉えられていないでしょうか。
経験者から伝えられることの出来ない死について、想像が膨らみ、怯えや恐怖が先行し、終活を躊躇わせてしまっているように感じます。
長寿社会の中で、多岐にわたる終活をする意味は何だったでしょうか?
人生を悔いなく生ききるための大切な一つのツールではないか、と私は思っています。
歳を重ねれば重ねるほど、考えることも行動することも面倒になってきてしまいますが、大切なことはしっかり伝えて記しておきたいですね。

これからの終活

終活は、これまでにもお伝えしてきた通り、亡くなった後のことだけを考えるものではありません。
安心して充実した人生を生きていくためのものでもありましたね。
超高齢社会の中で、引取り手のいないご遺骨が、行き場なく、全国の自治体で6万柱以上 も保管されています。
多くの自治体もこのような状況を鑑みて、終活に取り組み始めていますが、魂が彼岸へ還った後の亡骸の落ち着き先がないのは悲しいですね。
ご家族のいらっしゃる方は、不安や心配をご家族に話してみませんか? 守ってもらいたいことや希望を伝えて記しておきましょう。
ご家族がいらっしゃらないお一人様。 今はお一人様でなくても、誰もがお一人様になる可能性があります。
そうした時に相談できる頼れる人を必ず見つけてお話しておきましょう。 お願いしておきましょう。

元気だからこそ伝えられる

 

私の両親は、私と共に終活をしてくれていました。
母はパーキンソン病という難病を患っていて、進行していましたが、その頃は元気だった父が頑張って母を助けていましたし、私もほぼ毎日手伝いに行っていました。
病気や怪我をして。
いろんな他愛のない話の中から、終活に必要な言葉が聞けたりもします。
面倒なことも当然あります。
それでも両親は、伝えたいことを伝え、弟や私が知りたいことを話してくれました。
看取った後、足りなかったことがあったと気づいたこともありますし、後悔もありましたが、それは、今は亡き両親が教えてくれたこととして、これから終活をしたいと思われる方にお伝えしていきたいと思います。
病気や怪我をして、心身が不安定な状態にある中では、冷静な気持ちで終活を考えたり行動したりすることはとても難しいです。
だからこそ、元気な今のうちに、大まかなことだけでも準備しておくことが大切です。
元気なうちに大まかなことでもよいので、道筋をつけておくと、人生の最終段階におけるいろんなことへの思いも見えてきます。
自分自身のために、そして大切な人のために、考えるきっかけを持ってみてください。

4回の投稿を終えて

終活について4回にわたってお伝えさせていただきましたが、いかがでしたでしょうか。
ほんの少しでも皆様の心に何かお役に立てるものが残せたなら幸いです。
これからも、必要としてくださる人がいらっしゃる限り、微力ながらお手伝いしていきたいと思います。
これまでおつきあいくださり、ありがとうございました。
また、どこかでこのご縁が繋がることがありましたら、それは、この上ない幸せなことです。

終活えんとらすと
山口聖子さん

  • 終活サポート「終活えんとらすと」代表として、中高年向けの終活支援を行う。
  • 両親の介護・看取りや、認知症・難病の方々のサポートを経験し、終活の大切さを実感。
  • セミナーや相談を通じて「今をよりよく生きる終活」を伝え、実践をサポートしている。