
40代以降の女性で、将来を見据えてスキルアップを目指す人は増加傾向です。なかでも、リスキリングは、新たなスキルを手に入れて長く働ける職業を探せることから、注目を集めています。
背景には、常に変化する技術や市場の動きが挙げられます。目まぐるしい変化をきっかけに、キャリア人生に不安を感じる40代以降の女性を中心に、リスキリングに興味を持つ人が増えているようです。
この記事では、40代以降の女性におすすめのリスキリングを紹介します。リスキリングが40代以降の女性に必要とされる理由や注意点も併せて解説しています。
これから、新たな知識と実践的なスキルを身につけたいと考えている40代以降の女性は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
- 40代以降の女性に必要なリスキリングとは?
- リスキリングの定義
- 40代以降の女性がリスキリングで学ぶ必要性
- 40代以降の女性におすすめのリスキリング5選
- WEBデザイン
- WEBライター
- 動画編集
- プログラミング
- マーケティング
- リスキリングの具体的な方法
- 独学で学ぶ
- 通信講座やオンラインスクールに通う
- 企業のリスキリング制度を活用する
- 40代以降の女性がリスキリングする際の注意点
- 無理なスケジュールを立てない
- 途中であきらめない
- 必要なスキルを見極める
- 40代以降の女性がリスキリングで活用できる補助金
- キャリアアップ支援事業
- 教育訓練給付制度
- まとめ
40代以降の女性に必要なリスキリングとは?
40代以降の女性には、リスキリングが重要です。リスキリングは、ライフワークバランスを保ちながら、資格を取得するだけでなく実践力が身につきます。
40代以降の女性に必要なリスキリングで、どのようなことを学ぶのかを考える前に、まずはリスキリングの意義や目的を正しく理解しておくことが大切です。
リスキリングの定義
リスキリングの定義は、下記のように定められています。
「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、 必要なスキルを獲得する/させること」
引用元:経済産業省|リスキリングとは ―DX時代の人材戦略と世界の潮流―
リスキリングとは、知識を学ぶだけでなく実践的なスキル習得を指しています。一般的な学習だけでなく、身につけたスキルを活用できるよう、職場で実践するまでサポートすることが、リスキリングの特徴です。
デジタル化が進む近年、リスキリングによって新たな職場環境へ対応したり、次世代のリーダーを育成したりする必要性が高まっています。

結果に結びつく知識やスキルを身につけることで、個人と企業の成長や発展を促進することがリスキリングの目的です。
40代以降の女性がリスキリングで学ぶ必要性
人生100年時代と言われる近年では、40代以降の女性もスキルを身につけ、長く仕事を続けていく必要があります。キャリアを磨かなければならない一方で、女性は育児や介護などで優先すべき事項が多いことも事実です。
そのため、50代や60代になっても変わらず働き続けられるように、40代以降の女性はキャリアだけでなく、スキルを高める必要があります。
リスキリングは、生活と仕事のバランスを整えながら、実践的なスキルを身につけるため、自分自身の市場価値を高められます。キャリアアップや転職にも役立つリスキリングは、資格取得だけでなくスキルも身につくため、40代以降の女性におすすめです。

やみくもに資格を取得するのではなく、実践で使えるスキルを身につけることが、デジタル社会を生き抜く鍵となるでしょう。
40代以降の女性におすすめのリスキリング5選
40代以降の女性がリスキリングで学ぶなら、WEBスキルがおすすめです。
コロナ禍を経て、世の中は急速にデジタル化が進みました。副業を許可する企業も増加したことから、キャリアアップと年収アップにつながるWEBスキルは、特に人気があります。
ここでは、おすすめのリスキリング5選を紹介するので、40代以降の女性で学ぶべきスキルに迷ったときは、ぜひ参考にしてみてください。
WEBデザイン

WEBデザインの実践的なスキルを身につければ、キャリアは無限大です。アプリやWEBサイトの需要が増加するなか、企業からの需要は高く、フリーランスとしての活動にも役立ちます。
副業や転職、独立で活躍するWEBデザインには、創造性や柔軟性、コミュニケーション能力が求められます。パラレルワークとしても人気のスキルであるため、知識や技術を磨こうとする40代以降の女性は少なくないでしょう。
WEBライター

WEBライターは、在宅ワークを始める人から人気のある職種です。パソコンとインターネット環境があれば、誰でも始めやすい仕事だからだと言えるでしょう。
近年は、SNSやYouTube動画の文章を、WEBライターに発注するケースが増えています。また、ビジネスメールや文書の作成など、事務仕事にも役立ちます。
AIを活用したライティングも増加傾向ですが、経験をもとにした説得力のある文章の作成はAIにはまだ困難です。そのため、WEBライターの仕事は今後も必要性の高い仕事だと考えられます。
動画編集

YouTube動画や動画広告を作成する動画編集スキルは、年々需要が増加しています。5Gの普及によって、インターネットの高速通信が可能となり、さまざまなWEBサービスで動画広告が増えました。そのため、動画広告は広告種別のなかでも特に高い成長率を誇っています。
なお、動画編集にはカットやテロップの挿入、喜怒哀楽の要素などを取り入れるなど、AIには難しい部分が多々あります。センスや経験、技術が求められる職種でもあるため、今後も動画編集のスキルは需要が高いと言えるでしょう。
プログラミング

ビッグデータやIotなどのデジタル技術が急発展し、多くの企業で組織改革が進む近年は「DX時代」と呼ばれ、デジタル技術を最大限に活用するプログラミングスキルの需要が加速しています。
プログラミングスキルは難しいと思われがちですが、近年はノーコード開発やツールを駆使したプログラミングも可能です。
40代以降の女性からも、プログラミングスキルは人気があり、将来はプロジェクトマネージャーとしての活躍が期待されます。また、プログラミングの経験や知識を活かした論理的思考力や問題解決力を持つ人への需要も、今後増加していくと言えるでしょう。
マーケティング

マーケティングのなかでも、近年注目を集めているのはデジタルマーケティングです。コロナ禍以降、オンライン化が進んだことも背景となり、企業にとってデジタル戦略は欠かせなくなりました。
デジタルマーケティングのスキルによって、SNSの運営やSEO対策、キーワード選定など市場の需要からデータ分析し、顧客獲得やブランドの確立を目指します。
キャリアのある40代以降の女性にとって、デジタルマーケティングのスキルはチャンスにつながります。知識と経験を武器に変えることができるため、キャリア幅の拡大に大きなメリットとなるでしょう。
リスキリングの具体的な方法
学び直しとなるリスキリングでは、新しい仕事に活かせるスキルを身につけることが大切です。そのためには、目的と目標を明確にし、学び方を考えなければなりません。
そこで、ここでは40代以降の女性がリスキリングをする際、利用できる具体的な方法を3つ紹介します。収入を得ながらリスキリングする方法や、スキル習得に費用がかかる方法などがあるため、検討の際に役立ててください。
独学で学ぶ
働きながら独学でリスキリングする際は、YouTubeや参考書だけでなく、UdemyやマナビDXなどの活用がおすすめです。
独学なら、多くの費用をかけずにリスキリングできるメリットがあります。ただし、未経験の分野を選んだ場合、独学でのリスキリングはおすすめできません。はじめて挑戦する分野は独学ではスキルの習得が難しく、職場内の異動や転職後に十分な実力を発揮できない可能性があるためです。
リスキリングは、知識やスキルを身につけるだけでなく、実際に仕事に活かせるだけの技術を身につける必要があります。ただし、スキルの基礎を学ぶなら、YouTubeや無料コンテンツを上手に活用して、独学でも十分なリスキリングが可能です。
通信講座やオンラインスクールに通う
リスキリングで、通信講座やオンラインスクールに通う方法もあります。費用はかかりますが、実践的なレベルでのリスキリングが可能です。基礎は独学で学び、活用できるスキルにするために受講するというのも、低コストでリスキリングする方法の1つです。
利用する講座によってレベルや内容が異なるため、自分自身に合った講座やスクールを選ぶようにしましょう。費用だけで比較すると、転職や異動後に身につけたスキルが役立たず、後悔をする恐れがあります。
費用や受講内容、口コミなどを確認し、納得できる通信講座やオンラインスクールを選ぶようにしてください。
企業のリスキリング制度を活用する
勤務先にリスキリング制度があれば、率先して参加してみましょう。
近年、企業戦略の一環としてリスキリング制度の採用が目立ちます。企業は市場に合わせたリスキリングによって、将来を見据えた持続的かつ躍進的な社員の成長を目指す必要があるからです。
社内制度を活用すれば、低コストのリスキリングが実現します。また、自分自身のキャリアアップの確立とともに、企業への貢献にも役立つことでしょう。
40代以降の女性がリスキリングする際の注意点
リスキリングする際、40代以降の女性は焦りから無理をしがちです。しかし、心身ともに疲れてしまっては、リスキリングに時間がかかったり、成果につながらなかったりする可能性があります。
ここからは、40代以降の女性がリスキリングする際に、注意したいポイントを紹介します。
無理なスケジュールを立てない
独学やオンラインスクールを受講してリスキリングする際は、無理なスケジュールを立てないことが大切です。
仕事とプライベートにリスキリングの時間が加わると、過密なスケジュールになりがちです。効率よくリスキリングを進めるためにも、予定と目標を明確にし、空き時間を有効に使うようにしましょう。
しかし、「一度決めたことだからやり通す」などの意地や根性では、リスキリングの効率は悪くなってしまいます。スケジュールの方向転換は何度でも可能です。心身に疲れをきたしたら、柔軟に予定と目標を軌道修正し、楽しみながら継続することが結果へつながることを忘れてはなりません。
途中であきらめない
せっかくはじめたリスキリングは、途中であきらめないことが大切です。はじめて挑戦する分野でリスキリングする場合は、手探りで進めていく状態と言っても過言ではないのです。
たとえば、WEBデザインやプログラミングでは、専門用語や難しい知識・技術を習得する必要があります。しかし、最初からすべて理解できる人は、ほんのわずかです。全体像を把握し、少しずつリスキリングを進めることが大切です。
とくに、WEBスキルは日進月歩です。昨日と今日とで正解が同じとは限りません。最初は6割程度の理解で良しと考えておけば、難しいリスキリングでも継続しやすくなります。スキルを磨いていく間に、7割・8割と理解が追いついていくでしょう。
必要なスキルを見極める
目指すキャリアが必要とするスキルは、1つとは限りません。必要なスキルを見極め、複数のスキルを身につけることも意識してください。
身につけたスキルを活かすためには、複数のスキルを組み合わせた「スキルセット」を必要とすることも多くあります。
たとえば、WEBライターはただ文章を書ければ良いというわけではありません。表現力やコミュニケーション能力も必要です。また、執筆にかかわるツールを使いこなすことも求められます。そのため、リスキリングでWEBライターを目指す際は、執筆力に加えてさまざまなスキルを身につける必要があるのです。
目指すキャリアに、どのようなスキルが求められるかを意識し、必要なスキルを複数身につける意識を持っておいてください。
40代以降の女性がリスキリングで活用できる補助金
リスキリングでは、国の補助金や給付金を活用できる場合があります。
- キャリアアップ支援事業
- 教育訓練給付金制度
どちらも、リスキリングのための自己負担を減らし、キャリアアップへの道を応援する制度です。ただし、給付金や補助金を利用するためには条件があります。
条件を満たしている40代以降の女性で、リスキリングを検討している方は、ぜひ活用してください。
キャリアアップ支援事業
転職までに必要なリスキリングをサポートしている事業が、経済産業省の「キャリアアップ支援事業」です。リスキリングで受講する講座の費用が補助金の対象です。たとえば、勤務先がキャリアアップ支援事業を活用している場合、社内のリスキリング制度を活用すると自己負担の軽減が期待できます。
ただし、補助金を受け取れるのはキャリアアップ支援事業を行う事業者となっていることに注意してください。
| キャリアアップ支援事業 | 概要 |
|---|---|
| 補助金の受け取り | 事業者 |
| 対象者 | ・初回面談の時点で在職者 ・転職を希望している人 |
| 支援内容 |
①【リスキリング講座の受講を修了】
②【リスキリングの講座受講後、転職】 |
勤務先にリスキリング制度がある場合は、独学よりもレベルの高いリスキリングへの期待が持てるでしょう。
教育訓練給付制度
厚生労働省が実施する「教育訓練給付制度」は、主体的なキャリア形成を支援している制度です。指定された講座の受講料の一部を支給し、雇用の安定と就職の促進を目指しています。
リスキリング講座には、3つのレベルがあり、支給される費用の割合や上限、受講内容に違いがあります。
| 給付金の種類 | 受講費用に対する給付割合 | 講座の特徴 |
|---|---|---|
| 専門実践教育訓練給付金 | 最大80% (年間上限64万円) |
中長期的なキャリア形成が目的 |
| 特定一般教育訓練給付金 | 50% (上限25万円) |
早期の再就職やキャリア形成が目的 |
| 一般教育訓練給付金 | 20% (上限10万円) |
一般的な資格試験や学位の取得が目的 |
教育訓練給付制度を活用してリスキリングする際は、教育訓練講座検索システムから探してください。
まとめ
人生100年時代と言われる現代では、自分のスキルを常に自らアップデートしていくことが求められます。注目される「リスキリング」ではスキルを身につけ、キャリアや転職後に活かすことを目指し、学ぶだけで終わらないことが大切です。
リスキリングで学ぶ際は、目指すキャリアから逆算し、何が自分に必要なスキルかを客観的に考えることから始まります。具体的なキャリアビジョンがあれば、イメージすることで必要なスキルが見えてくるでしょう。
企業・個人ともに必要性の高まるリスキリングは、40代以降の女性のキャリアアップにとって欠かせない存在です。基礎的なスキルを得るだけでなく、これまでの経験や知識を活かした柔軟なキャリアアップをするためのリスキリングに、ぜひ挑戦してみてください。