
働き方が多様化している近年、年代を問わず週末起業が注目を集めています。スキルや知識を身に付けた40代の女性では、副業よりも週末起業から独立を目指す人も少なくありません。
この記事では、週末起業の特徴を詳しく紹介します。メリットやデメリットだけでなく、週末起業をする際の注意点と成功する方法を解説します。 40代の女性が、週末起業を始めるときにおすすめの仕事のジャンルも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
- 週末起業とは?
- 週末起業の考え方
- 週末起業と副業のちがい
- 週末起業のメリットとは?
- 本業以外で収入が得られる
- 小さなリスクで始められる
- スキルアップを目指せる
- 独立も視野に入れられる
- 週末起業によるデメリット
- 確定申告が必要となる
- 本業に支障が出る可能性がある
- 退職後の失業手当は貰えない
- 失敗しない週末起業の始め方とは?
- どのような事業を始めるか決める
- 事業計画を立てる
- 開業届を提出する
- 40代女性におすすめする週末起業のジャンルとは?
- WEBライター・WEB制作
- ネイル・エステサロン
- ネットショップ
- コンサルタント業務
- 週末起業を始める際の注意点
- 少ない投資から始める
- 短期間で成果を得る
- 事業計画は柔軟に見直す
- 週末起業は初期費用の少ないジャンルがおすすめ
週末起業とは?
会社員が給与以外に収入を得る方法には、週末起業や副業が挙げられます。週末起業や副業は、本業の勤務先を退職することなく続けられるため、近年人気があります。
しかし、週末起業と副業では時間の制約に違いがあることを、納得したうえで始めることが大切です。
週末起業の考え方
週末起業とは、休日を利用した事業で収入を得ることです。
土曜日や日曜日を利用する人が多いため週末起業と呼ばれ、会社員を続けながら起業できるメリットがあります。一方で、受注した仕事内容によっては、平日の帰宅後や私的な時間を削って、業務に追われることも少なくありません。
週末起業をすると、充実した日々と収入が得られる反面、多忙な毎日となってしまうケースも多くあります。
週末起業と副業のちがい
副業とは本業以外で収入を得るための働き方で、アルバイトやパート、業務委託など他の会社・組織に雇用されるケースや、空き時間を利用した小規模な仕事が多いです。目的としては「収入を増やすこと」がメインで、比較的安定していますが、大きな収入アップや独立を目指すものではないことが一般的です。
一方の週末起業とは、本業を続けながら、休日や週末に自分自身で事業を立ち上げて運営することを指します。商品やサービスを自ら作って顧客に販売したり、個人事業主として受注したりと、「自分が事業の主体」であるのが特徴です。
また、「将来的な独立」を視野に入れていることも多く、起業なので個人事業主登録や税務申告など手続きが必要になることもあります。

週末起業のメリットとは?
週末起業には、4つのメリットが挙げられます。ここで、詳しくメリットを紹介するので、週末起業をするか悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。
本業以外で収入が得られる
週末起業をすると、本業以外に収入源が得られるため、収入アップを目指す人にはおすすめです。
ただし、一般的な起業とは異なり、会社員と個人事業主で二足のわらじとなります。稼働できる時間に限りがあるため、大きな収入アップは難しいと言えるでしょう。
なお、週末起業で収入アップを目指すなら、営業活動が不可欠です。受注ケースによっては、会社員以上の収入を得られる可能性を秘めているため、週末起業の営業活動にやりがいを感じる人は少なくないでしょう。
小さなリスクで始められる
本業によって稼働日数が限られている週末起業では、自宅を拠点とする人が多く、開業資金が少ないことが特徴です。事務所や事務用品など、開業時から大きなランニングコストを抱えないため、小さなリスクから始められるメリットがあります。
万が一、週末起業が継続できなくても、会社員としての収入を確保できていれば、生活費へのダメージは最小限で済みます。週末起業なら、退職して開業するよりも小さなリスクで事業を始められることは、大きなメリットとなるでしょう。
また、本業があることで、失敗を恐れずに事業を進められるため、やりたい事業に挑戦できることも、週末起業のメリットです。
スキルアップを目指せる
週末起業をすると、会社員とは異なり、個人事業主はすべて自分で業務を担う必要があります。それに伴い、本業とは異なる分野の知識や経験を身に付けられるため、将来に向けてのスキルアップが可能です。
- 営業活動
- 契約書の作成・締結
- 受注業務と納品
- 請求書の作成
- 経理
また、事業戦略や必要となる資金計画も、考えておかなければなりません。
上記は本業の部署異動や転職などでも、役立つ可能性のある業務です。いまは必要がないと思われがちなスキルでも、将来役立てられる可能性もあるでしょう。
独立も視野に入れられる
週末起業で事業を育てられれば、退職後に独立を目指すことも可能です。本業で生活を安定させられるため、将来の独立を視野に入れて対策すれば、専業になっても減収に困りにくくなります。
将来の独立を視野に入れて週末起業をするなら、以下のポイントを重視しながら準備しておいてください。
- 経営や経理の勉強をする
- 事業を精査し改善していく
- 将来の目標を決める
- 事業計画書を作成する
- 事業資金や生活費を貯める
週末起業では、勉強や事業を継続しながら、知識と経験を身に付けることが大切です。インプットとアウトプットを繰り返し、挑戦し続ける意思を維持しましょう。
週末起業によるデメリット
勤務先で副業が認められていない場合は、週末起業を始められないことが多くあります。また、副業とは異なり事業を抱えることで、収入が増える一方でデメリットとなるポイントもあります。
ここでは、3つのデメリットを詳しく解説するので、週末起業を始めるまえにぜひ確認しておいてください。
確定申告が必要となる
会社員は、年末調整だけで1年間の所得税や住民税を精算・確定できるケースが多くあります。しかし、週末起業による年間所得が20万円を超えると、確定申告が必要です。年間所得とは、1年間の収入から必要経費を差し引いた金額を指し、年収とは異なるため注意してください。
確定申告の受付期間は、毎年2月半ばから3月半ばの約1ヶ月間です。事業に関する収支内訳書など簿記知識も必要となるため、勉強や申告のために時間を確保する必要があります。
本業に支障が出る可能性がある
週末起業では、本業の疲れを取る時間を確保しにくくなり、寝不足や疲労で本業に支障が出てしまう人が多くいます。納期に追われると、睡眠時間を削って業務を進める場合もあり、不注意から本業で失敗を招く恐れがあるのです。
そのため、週末起業では本業を疎かにせず、睡眠や休息時間を確保することが大切です。なお、週末起業で以下に該当した場合は、退職して独立することも検討してみることをおすすめします。
- 受注件数が増加し平日の稼働が増えた
- 事業の収入が本業の年収を上回った
- 独立しても生活費用への心配はない
会社員と週末起業を両立するためには、スケジュール管理の徹底が大切です。多忙な日々と睡眠不足から本業で失敗するなど、本末転倒とならないよう注意しておきましょう。
退職後の失業手当は貰えない
会社員として働いていると、退職後は雇用保険を利用して失業手当を受給できます。しかし、失業手当は「再就職の意思がある人」への支給が原則です。週末起業といえど、開業して個人事業主という立場があるため、本業退職後に失業手当を受給できません。

週末起業だけでは生活費を捻出できない場合、生活費のために事業を断念せざるを得なくなってしまいます。会社員として働きながら週末起業をするなら、退職後の生活費を確保してから離職を検討するようにしましょう。
失敗しない週末起業の始め方とは?
週末起業を始めるときは、ポイントを押さえながら進め、事業を収入につなげることが大切です。
- どのような事業を始めるか決める
- 事業計画を立てる
- 開業届を提出する
特に、事業に直結する業種や計画を、十分に検討する必要があります。ここでは、週末起業の始め方として大切な3つのポイントを詳しく解説します。
これから週末起業を検討している人や、週末起業を始めたばかりの人は、ぜひ参考にしてみてください。
1. どのような事業を始めるか決める
週末起業では、好きな業種や得意な分野で事業を始めることがおすすめです。
事前に、事業分野の情報を知っていれば勉強もスムーズに進み、消費者ニーズや市場分析にも役立ちます。短時間で効率よく事業を始められるため、週末起業ではスキルや知識のある分野を選ぶと良いでしょう。
また、一度事業を始めたらコツコツと実績を積み重ね、継続することが大切です。好きな分野なら、困難な状況に陥っても諦めることなく続けやすくなります。
2. 事業計画を立てる
事業計画とは、目標を達成するために必要となる、具体的な行動を検討してまとめた文書を指します。週末だけとはいえ、事業を立ち上げることになります。そのため、事業計画の有無が、起業後の収入に影響すると言っても過言ではありません。
事業計画書は、整合性と将来性を考えて作成することが大切です。たとえば、「6W2H」の要素を基準に、事業計画書を作成する方法があります。

目的や人材、キャッシュフロー表など将来を見据えながら作成すると、まとまりや納得感のある事業計画書となるでしょう。
3. 開業届を提出する
週末起業で独立した事業を行うなら、税務署へ開業届を提出する必要があります。一般的に、週末起業では個人事業主が多く、実績がない状態で法人の設立はおすすめできません。
法人の設立には、費用や時間がかかります。一方、個人事業主なら開業届を提出するだけのため、週末起業を立ち上げるための費用は必要ありません。

なお、個人事業主として開業届を提出する際は、屋号を決めることができます。提出後にも屋号は設定できるため、納得できる屋号を考えてみてください。屋号を決めておくと、事業に対する信頼が高まるだけでなく、モチベーションアップにもつながることでしょう。
40代女性におすすめする週末起業のジャンルとは?
40代の女性におすすめの週末起業には、以下のようなジャンルが挙げられます。
- WEBライター・WEB制作
- ネイル・エステサロン
- ネットショップ
- コンサルタント業務
週末起業では、ランニングコストを抑えるため、自宅の一室で業務できるジャンルがおすすめです。開業費用や決めておきたい事業計画などを紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
WEBライター・WEB制作
WEBライターは、Web上に出てくる記事を執筆する仕事です。WEB制作では、ホームページを作ったり既存ホームページをリニューアルしたりしています。IT業界では、WEB制作を業務内容で細かく分類し、WEBデザイナーやWEBエンジニアとすることもあります。
WEBライターやWEB制作では、パソコンとインターネット環境が必要不可欠です。そのため、ランニングコストには、通信費用や使用するソフトウェア、ライセンス費用などが挙げられます。また、WEB制作ではホームページ運営の維持費が必要です。サーバーやドメイン管理の費用が上乗せされます。
一般的に、WEBライターでは月額5,000~2万円、WEB制作では月額2万~10万円がランニングコストの目安です。
なかでも、WEBライターは自宅にパソコンや通信環境があれば初期費用の心配がありません。そのため、週末起業として選ばれやすいジャンルとなっています。
ネイル・エステサロン
ネイルサロンやエステサロンでは、サービスを提供する場所によってランニングコストが異なります。

ネイルサロンやエステサロンでは、開業資金やキャッシュフロー、資金調達方法などを含めた事業計画書が必要です。特に、初期費用を融資で検討する場合は、事業計画書の内容によって融資の可否が決まります。
融資だけに頼った開業をすると、ランニングコストが事業資金を圧迫する可能性があります。そのため、十分な自己資金を準備しておくことが大切です。
ネットショップ
趣味を活かしてショップを運営するなら、ネットショップがおすすめです。商品のプロデュースやオリジナル商品など、週末起業を楽しみたい40代から人気があります。
ネットショップで週末起業をする際は、出店場所やランニングコストから、以下の方法を参考に検討してみてください。

ただし、ネットショップを運営する際は、メリットとデメリットを正しく理解しておくことが大切です。
| メリット | デメリット |
|---|---|
|
|
ネットショップでは、市場調査や初期費用、運営資金などの事業計画が必要です。ビジョンや目的からショップのコンセプトを決定し、顧客層を調査しなければなりません。
また、仕入れた商品を保管する場所を確保すると、ランニングコストは高くなります。事業を安定させるためには、お礼メールやレビューの促進など、独自のアフターフォローを構築することが大切です。
コンサルタント業務
知識やスキルを活用して、コンサルタント業務による週末起業も可能です。専門的な相談をするコンサルタントなら、初期費用の心配をせずすぐに事業を始められるでしょう。
コンサルタント業務には、以下のようなジャンルがあるので、ぜひ参考にしてみてください。
- 経営・戦略コンサルタント
- 人事コンサルタント
- マーケティングコンサルタント
- 財務・会計コンサルタント
- ITコンサルタント
- ヘルスケアコンサルタント
- 教育コンサルタント
- キャリアコンサルタント
コンサルタントは、専門的な知識や経験があれば事業が可能です。そのため、自宅を事務所にすれば、ランニングコストを抑えられるメリットがあります。
ただし、コンサルタント業務では、集客方法や実績作りが重要です。無料相談の機会を設け、認知度のアップを目指しましょう。セミナーを開催したり、SNSで宣伝したりするなどの戦略が重要です。
週末起業を始める際の注意点

週末起業を始める際は、お金をかけずにビジネスを成功させることが大切です。事業は、良いときもあれば悪いときもあります。
ここでは、週末起業を始める際に注意しておきたい3つのポイントを紹介します。
少ない投資から始める
週末起業では、事業の安定を目指すとともに、失敗したときのことも考えておかなくてはなりません。初期費用が多ければ多いほど、事業撤退の判断が遅くなり損失は増えてしまいます。
事業が軌道に乗り安定するまでは、投資費用を抑えることが大切です。事業推進と撤退の意思は、投資額によって決まると言っても過言ではなく、少ない投資資金ほど客観的判断をしやすくなります。
これから週末起業を検討するなら、WEBライターやコンサルタント業務など、知識やスキルを活かせるジャンルがおすすめです。
短期間で成果を得る
週末起業は、コツコツと成果を積み重ねることが大切ですが、短期で成果を出すことも意識してください。起業する際は、長期的な目標だけを見据えがちですが、短期的にも結果がでなければ意欲は低下してしまいます。
1年以内の短期目標と、3年・5年先を見据えた長期目標を立て、モチベーションを高めながら継続することが大切です。
たとえば、週末起業を1年継続したとき、実績の数で信頼度は変わります。また、短期間で得た成果は、週末起業で必要な営業にも役立ちます。
ネイルやエステサロン、ネットショップで週末起業をするなら、小さな市場で顧客の反応を確認してみましょう。事業を開始したばかりのときは、改善すべきことが数多くあります。顧客の要望を満たせるようになってから、市場規模を拡大していくと良いでしょう。
事業計画は柔軟に見直す
週末起業を始めると決めて作成した事業計画書を、必ず定期的に見直すことが大切です。事業は育っていくため、目標を達成したり環境が変わったりします。そのときが、事業計画を見直すタイミングです。
なお、事業計画書を見直すタイミングを覚えておくと、週末起業で失敗するリスクの軽減や、外部・内部へのシグナル効果につながります。
- 環境の変化や前提条件の変化
- 目標の達成や変更
- 戦略転換
事業の流れに沿って戦略を決めるのではなく、戦略に合わせた事業を目指すことが大切です。一方で、時代の流れや市場のトレンドには敏感になり、柔軟な事業計画の見直しも忘れてはなりません。
週末起業は初期費用の少ないジャンルがおすすめ

この記事では、週末起業について詳しく解説しました。40代の女性が週末起業を始めるなら、初期費用が少ないジャンルの業界を選ぶことが大切です。
週末起業を安易に始めてしまうと、本業に支障を及ぼしてしまう可能性があります。そのため、これから週末起業を検討するなら、資金や事業計画だけでなく、スケジュール管理や休息日の設定も大切です。
週末起業では選んだ業界やジャンルによって、事業戦略やランニングコストが異なります。ぜひ、この記事で紹介した内容を参考に、短期・長期の目標を立てて、収入アップを目指してください。