
<相談内容>
「現在は都内に住んでいますが、リタイア後は夫婦で田舎暮らしをするのが夢です。しかし、田舎でも意外と生活費がかかると聞き悩んでいます。また、60歳の定年退職後も何らかの形で働くことを考えていますが、知らない土地で働くのは不安なので、在宅ワークがいいのでしょうか。今からできる準備を知りたいです」
<相談者のプロフィール>
・相談者50歳(教育関連会社勤務)
-出版社に就職後、出産を機に退職、パートを経て38歳から現職
・夫51歳(会社員)
・長女22歳(社会人)
・次女20歳(大学2年生)
<年収と1ヶ月の収支>
<収入>
・年収:夫680万円(うちボーナス150万円)、妻420万円(うちボーナス50万円)
・1ヶ月の手取り合計:57万円(夫33万円、妻24万円)
<支出>
住居費:15万円
食費・日用品費:8万円
水道光熱費:2万8,000円
通信費:1万5,000円
保険料:6万円
教育費・子ども費:2万円
交際費:2万円
娯楽費:2万円
医療費:1万円
夫婦のお小遣い:6万円
支出合計:約46万3,000円
<資産額>
普通預金450万円
定期預金400万円
個人向け国債550万円
株式投資350万円
投資信託300万円
計2,050万円
ファイナンシャルプランナーからのアドバイス
・生活費は、地方と都内であまり変わりません
・田舎だからこそかかる費用を把握しておきましょう
・リタイア後に失敗しないよう田舎暮らしを体験しておくのがおすすめです
<ポイント>
- 大都市圏の生活費は月約32万円、地方の生活費は月約28万円
田舎暮らしには意外とお金がかかる
相談者が懸念されている通り、「田舎で暮らすにも意外とお金がかかる」というのは間違いではありません。総務省統計局の「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯」によると、2024年度の大都市圏の生活費は月31万9,337円、地方の生活費は月28万4,584円です。約3万円の差はありますが、さほど大きな違いはありません。
また一般的に、リタイア後の生活費は現役時の8割程度に抑えられるとされていますが、希望するライフスタイルによってかかる費用は異なります。具体的にどのような田舎暮らしを希望しているのか、その生活を送るためにはいくらかかるのか、受給予定の年金額だけで足りるのかなど、リタイア後の生活を詳細にイメージして準備を進めましょう。
田舎だからこそかかる費用とは
都心部は住居費をはじめ物価が高い傾向にありますが、「都心部だからこそかからない費用・安く済む費用」もあります。たとえば、車の維持費です。交通の便が良い都心部では車を持つ必要がないケースも多く、その分車の維持費を省くことができます。
また、電気やガスなどのインフラを複数の会社から選びやすいため、その分光熱費を抑えられるというメリットもあるでしょう。
さらに、都心部は地方に比べて賃金が高い傾向にあります。2024年度の最低賃金の全国平均は1,055円ですが、東京都は1,163円と全国平均より100円以上も高くなっています。つまり、生活費が高くても、それをカバーできるだけの賃金を得ている家庭が多いのです。
一方、地方は交通の便が悪く、車が必須という地域が多いでしょう。「1人1台必要」という地域も珍しくありません。さらに、地方は都市ガスではなくプロパンガスになることが多く、費用がかさみがちです。
また、その土地ならではの費用も忘れてはいけません。たとえば、冬場の冷え込みが厳しく暖房費が多くかかる、台風が多く訪れるため厳重な対策が必要、などです。その他、住んでみなければ気づけない出費もあるでしょう。これについてできるだけ事前に知っておくことが大切です。
リタイア後の田舎暮らしを体験しておこう
いざ田舎に移住して生活を始めると、「やはりやめておけば良かった」と後悔しても元の生活に戻ることは簡単ではありません。休暇を利用して移住体験をする、移住コーディネーターに相談するなどできる準備を進めましょう。
家計についても、リタイア後になくなる支出と新たにかかる支出を明確にしたうえで、理想の暮らしをイメージし生活費を割り出しておきましょう。また、今すぐできる節約としては、通信費の見直しです。リタイア後に向けてできるだけ生活費をコンパクトにしておくと、貯金も増やせますし、スムーズに第2の人生を始められるでしょう。
キャリアコンサルタントからのアドバイス
・安心して働くため、できる工夫は色々あります
・今のうちからできる準備をしておきましょう
不安要素を洗い出す
知らない土地で働くことにどのような不安をお持ちかによって、働き方の選択は変わるでしょう。例えば、対人関係なのか、環境面なのか、仕事内容なのか。具体的に不安に感じる点を洗い出してみて、安心感のある働き方の検討をしてみてはいかがでしょうか。
安心して働くために
洗い出した不安要素に対して、中長期的な視点やメリットも含めて検討してみてください。例えば、対人関係に不安があるのでしたら、周囲に早く溶け込むために、積極的に挨拶をしたり早く仕事を覚えたりといった努力をしてみる。そうすることで、知らない土地での新しい交友関係を築けたり、地域の情報を得られたりなどのメリットがあると思います。
在宅ワークを選択する場合
引っ越し前から徐々に準備をしておくと安心して始められると思います。どの程度の収入を得たいかにより、仕事内容や働く時間、仕事量は変わります。また、在宅ワークをするために必要な機材、稼働時間やワークスペースの確保も必要です。ほかに、タイムマネジメント能力や責任も伴います。今のうちから少しずつ情報収集をしたり副業などで試してみたりして、在宅ワークの働き方の理解を深めておくと安心かと思います。