<相談内容>

「現在美容サロンで働いていますが、来年独立を予定しています。独立後はしばらく収入が不安定になる見込みですので、今のうちから家計改善をしておきたいです。また、業務のほかにも経理や集客、スケジュール管理などが必要になると思いますが、そのほか独立するにあたって身に付けるべきスキルがあれば知りたいです」

<相談者のプロフィール>

・相談者41歳(専門学校卒業後、20歳で美容院に就職。2店舗(美容院)を経て、36歳から現職)
・夫39歳(会社員)
・長男(中1)

<年収と1ヶ月の収支>

<収入>

・年収:夫約700万円(うちボーナス150万円)、妻約400万円(ボーナスなし)
・1ヶ月の手取り合計:61万円(夫35万円、妻26万円)

<支出>

住居費:13万円
食費・日用品費:11万8,000円
水道光熱費:2万2,000円
通信費:2万円
保険料:6万円
教育費・子ども費:4万円
交際費:2万円
娯楽費:3万円
医療費:1万円
夫婦のお小遣い:10万円

支出合計:約55万円

<資産額>

普通預金300万円

株式投資220万円
投資信託330万円
定期預金500万円
個人向け国債500万円

合計1,850万円

ファイナンシャルプランナーからのアドバイス

・必要最低限の生活をするのにかかる金額を把握しておこう
・収入が不安定な時期に向けて今から貯金を
・個人事業主としての金銭感覚を身に付けよう

まずは「必要最低限の生活費」を知っておく

相談者が心配するように、独立したての頃は収入が不安定になりがちです。そもそも、事業が軌道に乗るまでは満足に売上が得られない可能性もあります。

起業18フォーラムが2023年に実施した「『独立前後の収入』に関するアンケート調査結果」によると、独立1年目の年間所得の中央値は250万円。独立前の年収(税引前)よりも、独立後1年目の年間所得の方が上がった割合は15.3%、下がった割合は59.0%でした。となれば、世帯年収が下がり、使えるお金が今より減ることもあり得るでしょう。

そこで、「必要最低限の生活を送るのにかかる金額」を今から把握しておきましょう。たとえば、現在の夫婦のお小遣いは月10万円ですが、収入が不安定なうちは最低限の支出にとどめるとしてこれを削れば、生活費を下げられるかもしれません。他にも、通信費や保険料などの固定費も見直すと、無駄な支出を削れる可能性があります。 生活費を見直して必要最低限の金額がわかれば、たとえ収入が少ない時期にやむを得ず貯金を切り崩すとしても、その金額を最小限にできますし、切り崩しの計画も立てられます。「月〇〇万円で生活できる」とわかっていれば、むやみに不安になることもなくなるでしょう。

独立後のために今から貯金をしておこう

とはいえ、収入が不安定な時期に貯金の切り崩しがむやみに発生しないよう、今からできるだけ貯金もしておきたいものです。独立に向けての資金調達は必要ですが、そこには独立後の当面の生活費も含まれます。 もし、「独立後の生活費を準備することまで考えていなかった」という場合は、独立を急がず時期を遅らせることも一つの手でしょう。しっかりと資金計画を立てておかないと、見切り発車で独立してもうまくいかないケースが多くあります。独立を見据えた貯金も充分にしておくことが大切です。

個人事業主としての金銭感覚を身に付けることも必要

独立すれば、今後は個人事業主として働くことになります。つまり、税金や社会保険料を自分で支払い、日々の経理も基本的には自分で行います。それに、個人事業主になると、会社員の時と同じ年収でも一般的には手取り額が減りますので、それを踏まえて売上などの目標を決める必要があるでしょう。 会社員とは異なる点が多くありますので、個人事業主としての金銭感覚を身に付けることも事業を成功させるうえでは大事な要素の一つです。

キャリアコンサルタントからのアドバイス

・個人事業主としてのスキルを身につけましょう
・無理のないペースで長く続けられるスタイルを見つけましょう
SNS活用スキル

あなたのサロンを知ってもらうための必須スキルです。SNSで想いや施術メニュー、お客様の声、ビフォーアフター写真などを定期的に発信するとよいでしょう。SNS運用に必要な知識を深めて、今のうちから投稿練習をしてみてはいかがでしょうか。

お金の管理と経理スキル

個人事業ではお金の管理も仕事の一部です。会計ソフトを活用すれば、数字に苦手意識があってもスタートしやすいですよ。毎月の売上目標や必要経費を把握できれば、対策や戦略を立てられますし、漠然としたお金の不安が減っていくでしょう。各社の会計ソフトの機能や料、使い勝手などを調べておきましょう。

信頼関係構築スキル

技術やサービスだけでなく、「あなたから受けたい」と思われる関係性がリピーターを生みます。施術中のコミュニケーションだけでなく、アフターフォロー、お得なメニュー作り、再来店を促す工夫など、相手のことを考えた細やかなやり取りスキルが求められます。

セルフケアスキル

最後に忘れてはならないのが、「自分を大切にする働き方」です。個人でサロン経営は大変かと思いますが、休みの計画やメンタルケアも大切に。無理のないペースで、長く続けられるスタイルを見つけてくださいね。