
<相談内容>
「この4月から、以前からやりたかったイラストの仕事でフリーランスになりました。収入はいずれ会社員時代と同じくらいにしたいですが、それだと手取りは少なくなると耳にしました。これまでより手取りを増やすにはどのくらい稼げばいいのでしょうか。また、スキルシェアサイト以外での仕事獲得方法を教えていただきたいです」
<相談者のプロフィール>
・相談者44歳
(大学卒業後、23歳で印刷会社に就職。今春からフリーのイラストレーター)
・夫43歳(会社員)
・長女(中学3年生)
・次女(小学5年生)
<年収と1ヶ月の収支>
<収入>
・年収:夫約660万円(うちボーナス140万円)、妻約480万円(昨年の年収、ボーナス80万円)
・1ヶ月の手取り合計:60万円(夫34万円、妻26万円)
<支出>
住居費:12万円
食費・日用品費:10万5,000円
水道光熱費:2万5,000円
通信費:2万2,000円
保険料:4万円
教育費・子ども費:5万5,000円
交際費:1万5,000円
娯楽費:2万5,000円
医療費:4,000円
夫婦のお小遣い:6万円
支出合計:約47万1,000円
<資産額>
普通預金400万円
定期預金800万円
株式投資150万円
NISA(夫婦合計)300万円
計1,650万円
ファイナンシャルプランナーからのアドバイス
・小規模企業共済や青色申告も活用しましょう
・フリーランスとして手取りを増やすには年収580万円~600万円以上を目指しましょう
フリーランスは社会保険料や税金を自分で納める必要がある
今回は、この4月からフリーランスとして働かれる方からのご相談です。まず、会社員時代と同じ収入でも、フリーランスになると手取りが減る理由についてご説明しましょう。
フリーランスになると手取りが減る主な要因は、会社員時代に会社が負担していた部分を自分で支払う必要があるからです。会社員の場合、健康保険料や厚生年金保険料は会社と折半ですが、フリーランスになると、国民健康保険と国民年金を全額自己負担することになります。
さらに、消費税の課税事業者であれば、年収がいくらであろうとも別途消費税の支払いも発生します。
自分で備えておくべきお金も多い
その他にも、フリーランスは自分で備えておくべきお金がいくつかあります。
たとえば、会社員なら病気やケガで仕事を休んでも加入している健康保険から「傷病手当金」が支払われますが、フリーランス(個人事業主)になるとこのような給付は受けられません。そのため、「就業不能保険(※)」などによっていざという時の備えを自分でしておく必要があります。
※就業不能保険…働けなくなった時の収入減のうち、公的保障では不足する部分を保障する保険
同様に、会社員よりも公的年金が手薄になるため、個人型確定拠出年金(iDeCo)や後述する小規模企業共済などの制度を使い、老後資金を準備しておくことが求められます。
さらに、会社員のような福利厚生や手当などもフリーランスにはありません。会社の制度が手厚かった人ほど、フリーランスになった時、「自分で支払うお金が多い」と感じるかもしれません。

フリーランスが手取り収入を増やすには
フリーランスとして働くうえで、少しでも手取り収入を増やすには以下のような対策が有効です。
経費を適切に計上する
仕事に関連する支出(画材、PC・タブレット、ソフトウェア、書籍、交通費など)を適切に経費として計上しましょう。確定申告時に経費を正確に申告することで、課税所得を抑えることができます。
小規模企業共済へ加入する
掛金が全額所得控除となる小規模企業共済に加入することで、税負担を軽減できます。また、将来の退職金の受け取りも可能になります。
青色申告を活用する
青色申告をすることで、最大65万円の特別控除を受けられます。また、赤字の繰越控除なども可能になります。正確な帳簿をつけることが条件ですが、税負担軽減効果は大きいです。
なお、会社員時代と同等の手取り収入を得るためには、おおよそ年収580〜600万円程度を目指す必要があるでしょう。これは以下の要因を考慮しています。
- 社会保険料の増加分(約20〜30万円)
- 税制面での不利な点を補う分
- 確定申告や会計処理にかかる手間や費用
ただし、この金額は経費の計上方法や家族の扶養状況、青色申告の活用度合いなどによって変わります。個別の状況に応じて正確に計算したい場合、税理士等の専門家に相談してみましょう。
キャリアコンサルタントからのアドバイス
・SNSで積極的に発信してみましょう
フリーで活動を始めたはいいけど、「今後どうやって仕事を獲得するか」で悩みますよね。フリーランス協会が2025年3月に発表した「フリーランス白書2025」によると、「最も収入が得られる仕事獲得経路」は以下のようになっています。
- 人脈 35.6%
- 過去・現在の取引先 29.9%
- エージェントサービスの利用 12.4%
- 自分自身の広告宣伝活動 7.7%
- クラウドソーシング 6.0%
- 求人広告 5.4%
- シェアリングサービス 0.8%
- その他 2.2%
その中でも今回は、イラストの仕事獲得方法を2つご紹介します。
クラウドソーシングで仕事を探す
クラウドソーシングとは、インターネット上で仕事依頼が公募されていて、登録すれば誰でも自由に応募できるサービスです。たとえば、クラウドワークスやランサーズなどが有名です。メリットは、案件数やレベルが豊富で、初心者でも応募しやすい点です。実際の仕事を通してスキルアップしながらポートフォリオを充実させることができるでしょう。デメリットは、競争が激しく、報酬相場が低くなりがちな点です。
SNSで発信してクライアントから依頼を受けとる
SNSで作品を積極的に発信して、ファンを増やしながら仕事につなげる方法です。メリットは、作品や想いを多くの人に発信できる点です。あなたのイラストを気に入ったクライアントから声が掛かれば、モチベーションも上がり継続しやすいでしょう。デメリットは、知名度が上がるまでは仕事につながりにくく継続的な発信が必要なこと、やり取りの管理が必要なことです。
それぞれの方法の特徴を理解して、ご自分に合った方法で仕事獲得につなげてくださいね。応援しています!