時間と場所にとらわれず働きたい――そんな思いを抱える女性が増えています。その願いを叶え、在宅でCADの仕事をしながら、ヨガインストラクターやライティングなど“やりたいこと”を重ねてキャリアを築いてきたのがKTさんです。今回は、自分が心地よく働ける環境をどう整えてきたのか、独立に至った背景や仕事への向き合い方、そして女性が自分らしい働き方を実現するためのヒントについて、おうかがいしました。

「在宅でも外でも働ける」自由な働き方を叶えるためにCADを選んだ理由

━━仕事の内容を教えてください。

2015年に独立をして、CADを使って建築関連の事務業務やホテル・マンションの図面を作成しています。そのほか、不定期でヨガのインストラクターやライティング、スチール撮影を含むモデルの仕事なども行っています。

━━CADの仕事を選んだ理由と、独立された経緯をお聞かせいただけますか。

自宅でも外出先でも取り組めるため、将来的に在宅で働くことを見据えてCADの仕事を始めました。

明確なきっかけがあったわけではないのですが、もっと自由な働き方をしたいという思いがずっとありました。

また、ヨガを長く続けていたのでインストラクターにも興味がありました。ただ、当時は副業が一般的ではなかったこともあって、独立という形を選びました。

━━CADの仕事は何年ほど従事した後に独立されたのですか。また、独立して最初に取り組んだ仕事は何でしょうか。

企業で2年間働いた後に独立しました。最初に取り組んだのは、施工図の仕事です。

━━次に、収入についてお聞きしたいのですが、CADの月収は独立する前と比べるとどれくらい変わりましたか。独立するにあたって、収入面の不安はありませんでしたか。

現在の収入はおよそ5倍程度になりました。独立前に勤めていた会社のお仕事を、現在も業務委託という形で続けているため、単価も徐々に上げていただいています。そのため、収入面で大きな不安はありませんでした。

━━そうですか。ある程度収入の見込みがあって独立されたのですね。CADの仕事はご自宅でされているのですか。

自宅で作業する日もあれば、現在もお仕事をいただいている会社や現場に出向く日もあり、働く場所はその時々で変わります。

働きながら身につけたCADのスキル。複数の仕事と両立する心地よい働き方

━━CADとそのほかの仕事の稼働時間はどれくらいですか。また、1日のスケジュールを教えてください。

CADに関しては、週に40時間ほど取り組んでいます。会社で仕事をする日は、朝6時30分頃に起きて、7時頃に家を出て職場へ向かい、17時頃に仕事を終えて帰宅します。その後は家事をして、0時頃に就寝しています。

ヨガのインストラクターは、以前は週に2回ほど担当していましたが、今は指導員の方が足りないときにお手伝いする程度になっています。

ライティングに関しては、自分でテーマを決めて執筆しています。

モデルのお仕事はランダムで行っています。

━━どのようにしてCADのスキルを身につけたのでしょうか。

職場で教えていただきながら技術を身につけました。特に講座を受けたり資格を取得したりということはしていません。

━━教えていただきながらレベルアップしていかれたのですね。独立されるまでには、ご自身の努力も大きかったのだと思います。仕事のやりがいや楽しさは、どんなところですか。

目の前で建物が形になっていくのを見るのはとてもうれしいです。そこに人が住み、窓にあかりが灯るのを見たときには、幸せな気持ちになりますね。

それから、独立をした理由の1つは、時間や場所にとらわれない働き方をしたかったからです。基本的に家でも出先でも、パソコン1つで作業できるところは気に入っています。

今は、隙間時間を活用して習い事や趣味を楽しんでいます。プライベートの時間を確保しやすいのも、独立してよかったと感じる点です。

自然体で働く。自分が納得できる選択でストレスのない働き方へ

━━仕事で大変だと思うことはありますか。

実は「大変だ」と思ったことはあまりないです。仕事が趣味の延長のようなところがあり、好きなことを仕事にしているので、ストレスも感じにくいのかもしれません。

成功するかどうかはわかりませんが、「やっておけばよかった」と後悔したくないので、やりたいと思ったことはすべてチャレンジしてきました。たとえ忙しくて余裕な時間がないとしても、それは自分が選んだことなので納得してやっています。

━━やりたいことを実行するのは、できそうでなかなか難しいように思いますが、どうしたら一歩を踏み出せるのでしょうか。

私自身は「一歩を踏み出す」という感覚はあまりないです。やりたいことは進んでいる中にあるという感じです。踏み込んだりジャンプアップしたりという意識もありません。

うまくいっているかどうかはわからなくても、自分が納得して進んでいるのであれば、立ち止まってもいいと思っています。止まること自体も悪いことではないですしね。

特別に「よし、やってみよう」と気合をいれるのではなくて、「今日は中華が食べたいから中華料理を食べよう」と選ぶような、日常の延長線にある感じです。

━━自然体で進んでいる感じなのですね。仕事をいただく上で、苦労を感じたことはありませんでしたか。

こちらが望んでいても、相手の状況や求められるものと合わないこともありますし、技術面だけでなく価値観の違いが出てくることもあると思います。

ただ、そうしたことを苦労とまではあまり感じていなくて、自分が心地よく力を発揮できるお仕事をいただけたらうれしいな、という思いで続けてきました。ご指摘をいただくことがあっても「すべてが間違っていた」というよりは、「方向性が少し違っていたのかな」と受け止めるほうが、前向きに改善できますし気持ちも楽になりますよね。

自分が楽しく働けていれば、相手にとってもよい形につながると感じています。無理に頑張りすぎて疲弊するより、ストレスを抱えない仕事の仕方を目指したいと思っています。

━━今後の展望や目標をお聞かせください。

これまでやりたいことは迷いなくやってきたので、これからは少しずつ仕事量を減らしていけたらいいなと思っています。

とても忙しく働いてきたので、プライベートの時間をもっと大切にしたいですね。結婚したこともあり、夫とのんびり旅行をしたり、生活そのものを楽しんだりする時間を増やしていきたいです。

仕事については、今は探せばいろいろな選択肢がありますし、そのときに必要なことがあれば自然と見つかるのではないかなと思っています。

自分のペースに合わせて働き方を整え、心地よく暮らすことが今の私の目標であり、これからの人生で大切にしたいテーマです。