
食卓の救世主、スーパーのお惣菜コーナー。忙しい時や献立が思いつかないときなど、利用されている方も多いのではないでしょうか。 今回お話を伺ったのは、家の近くのお惣菜コーナーで揚げ物を担当するE.Kさん。 「この仕事が大好きです!」と笑顔で語られていますが、ここにたどり着くまでには数々の試練がありました。
かつては「なかなか自分に合う仕事が無い」と感じていたE.Kさん。今は「天職」といえるお惣菜製造の仕事と出会い“自分らしい働き方”を実現されています。
そんなE.Kさんのキャリアストーリーをご欄ください。
やっと巡り合ったお惣菜製造の仕事。それは「天職」!
━━現在のお仕事内容について教えてください。
スーパーのお惣菜コーナーで、主に揚げ物を担当しています。唐揚げ、天ぷら、コロッケなどを中心に、朝8時に出勤して、開店の9時までに商品を並べられるよう準備します。作り方は、素材が一口大に切ってあったり、成型された材料が用意されていますので、あとは決まった分量の衣を用意して、ザーっと揚げていく感じですね。
私は、現在のお店に入店して1年。まだまだ新人ですが、ようやく少し慣れてきました。今は、仕事を教えてもらうことは少なくなり、仕事場に入ったら自分で仕事を進めていくという感じです。
もちろん、上司から私の仕事ぶりで目に付くことや、間違っていることは指摘されることもあります。でも、注意されたことで、次は同じミスはしないでおこうと思うのです。それで自分自身の成長を感じるのが楽しいですね。
━━前向きにお仕事と向き合っておられるのですね! そもそもこのお仕事を選んだきっかけは何でしたか?
最初に惣菜の仕事をしたのは、もう何年も前で、通算すると8年ほどこの仕事を続けています。料理がもともと好きで、「自分に向いてるかもしれない」と思ったのがきっかけです。
実は、それ以前に他の仕事もいくつか経験しましたが、どれも長続きしませんでした。なかなか自分に向いた仕事が見つからなかったんです。でも惣菜の仕事だけは、自分ができる仕事であるということと、やりがいもあり、すごく楽しかった。本当に自分には『天職』だと思っています。

思い切って行動してみたら、希望の働き先をみつけられた。
━━今のお店に移ったきっかけについて教えてください。
そうですね、お惣菜の仕事を始めてからもいろいろありました。病気がありまして、薬を止めてしまった時、病状がひどくなり体調不良で退職したり。あとは単純にすごく忙しい職場でしんどくて続けられないとか、人間関係などもありましたね。
今のお店は、家から自転車で10分の所にあるのですが、求人があるかを直接本部に問い合わせて紹介してもらいました。
━━本部にお電話されるというのもなかなか大きな一歩だったと思いますが。
その時、ちょうど仕事を探していて、家の近くのスーパーは行きつくしていたので、今働いているところが最後の砦という感じで。
ここで働けたらいいな、と思ってダメ元で電話してみました。そうしたら求人を出している店舗を教えてくださるというのです。「私の希望している店舗がありますか」と聞いたら求人募集中で、すぐに応募したら、運よく採用されました。出勤日も面接時は週4日というお話でしたが、結局週3日で働けることになりました。
行きたかったお店を紹介してもらえて、働き方も希望通りになり本当にラッキーでした。
━━今のお仕事はどんな働き方をされていますか?
今は週3日、1日4時間働いています。時間は朝8時からお昼12時まで。なので、週に12時間くらいで、月だとだいたい48時間くらいの勤務です。
試練の時も頑張って乗り越え、身に着けていったスキル。
━━最初から今のようにスムーズに働けたわけではなかったとか?
そうですね。初めて惣菜の仕事に入ったときは、本当に仕事が難しかった。家庭の事情もあって精神的に不安定だった影響もあります。
基本的な仕事のルールが守れなかったり、覚えることが多くて本当に大変でした。段取りも分からないし、周囲からも結構強く当たられたり、怒られたりしていました。
今思えば当たり前だったんだな、と思えるんですけれどね。とりあえず2年半はそこで働きました。そのしんどい中でも、毎日続けることで少しずつ慣れてきて、スキルが身についていったのかなと思います。
失敗しても、次はどうすればいいか考えられるようになってから、ぐっと楽になりました。
━━かなり我慢しながら、頑張った、踏ん張ったという感じだったんですね。
はい、そうですね。しかし、次のスーパーも2年半くらい働きましたが、お寿司の担当になり、かなり苦戦しました。ずっと揚げ物担当だったので、巻きずしをきれいに巻いたり、断面をきれいに切ったりするのが本当に苦手でした。
━━そして、今のスーパーでは得意の揚げ物担当に戻られて、お仕事ができているのですね。
そうですね!本当に仕事全部が大好きで、やりがいを感じています。
━━今の職場はどんな雰囲気ですか?
すごくいいです。スタッフは全員で6人。10年選手の方も多いです。分からないことがあっても優しく教えてくれます。私がミスをして注意されることがあっても、ちゃんと理由を説明してくれるので納得できます。人間関係のストレスがないのが、一番ありがたいですね。
━━揚げ物の仕事で大切にしていることはありますか?
“見た目の美しさ”と“スピード”です。揚げ物って、同じ材料でも見た目で印象が全然変わるんですよ。衣が剥がれたり、焦げたりすると台無しです。なので、一つひとつ丁寧に仕上げることを心がけています。
でも、丁寧すぎると時間がかかってしまうので、そのバランスが難しいですね。
E.Kさんの癒しは、話を聞いてくれるご主人の存在と愛犬との至福の時間

━━お仕事の日のスケジュールを教えてください。
朝6時10分に起きて、朝食と身支度をして、7時25分に家を出ます。自転車で8分くらいの距離なので通勤はラクです。
8時から仕事を始めて、9時開店と同時に商品がずらっと売り場に並んでいる状態を作らないといけないので、8時から9時は大変忙しい時間帯です。ですので、時間はすごく気にしてます。
その後、12時に仕事が終わったらすぐ帰宅。昼食をとって、愛犬と遊んで、13時から14時半までお昼寝します。午後は洗濯や掃除、夕食の準備。夜はテレビを見ながらのんびりして、23時には寝ます。
━━とても規則正しい生活ですね。
はい。仕事がある日は体力を使うので、お昼寝は欠かせません。何よりの癒しは、家に帰って愛犬と過ごす時間ですね。
━━ご家族はお仕事に関して、何かおっしゃったりしていますか?
主人は「頑張れよ」とかあまり励ましてくれたことはないのですが、仕事の愚痴などを話すとよく聞いてくれます。私が「今日こんなことがあったんだけど、どうしたらいいと思う?」と話したりすると、それに答えてくれます。
━━素敵な関係性ですね!
そうですね(笑顔)
お給料ではなく、体調優先の「頑張りすぎない」働き方
━━以前のお仕事でもこのくらいの収入でしたか?
以前は週4~5日働いていたので、収入は今より多かったですね。なので、欲を言えば、もう少し稼ぎたいんですが、身体がそこまで強い方ではなくて。特に40代に入り体力がだいぶ落ちて、そこまで働くのがしんどくなってきて、今以上の勤務を増やすのが難しいのです。
━━そうだったのですね。ご自身の体調と今のお仕事はちょうど良い感じですか。
そうですね、現在の週3日勤務位がちょうど良く、この働き方に落ち着きました。
商品がきれいに仕上がったとき感じる充実感!
━━この仕事のやりがいはどんなところにありますか?
本当に仕事全部が大好きでやりがいもあります。中でも一番は、商品がきれいに仕上がったとき。あと、 仕事がスピーディーに進んでいる時も楽しさを感じます。「お客様に喜んでいただける商品ができた!」と思ったときにすごく充実感を持ちますね。
それと、先輩たちの仕事ぶりを見ると本当に尊敬します。無駄な動きがなくて早いし、仕上がりも完璧。自分もいつかそうなりたいです。
━━反対に、大変だと感じる部分はありますか?
大変な所はやはり、体力的な部分です。とにかく時間勝負なので、常に素早く行動して作業しないといけません。作業中は一度も座らず、ずっと動いています。家に帰ると、ぐったりでお昼寝をしないと腰も痛いし体力が持たないのです。
でも不思議と嫌にはならない。体はしんどい時もあるけれけど、心は元気。そういう感覚ですね。

尊敬する先輩を目指して、調理スキルの追求はこれからも続く。
━━これからの目標を教えてください。
目標は、 早く綺麗な商品を作れるようになることですね。今はまだスピードが足りていない気がするし、ちょっと雑な所もあるので改善していきたいです。
今の自分はまだまだ尊敬する先輩たちには追いつけません。でも焦らずに、コツコツ上達したいと思っています。丁寧さと早さを両立できるようになりたいです。
━最後に、やりがいのある仕事を目指す人へメッセージをお願いします。
最初は覚えることが多く、厳しいことも言われて大変かもしれません。でも、続けていれば必ず慣れますし、自分なりのやりがいが見つかります。
私はこの仕事を通して、「自分にもできることがあるんだ」と思えるようになりました。また、「天職」と思えるほど、仕事の楽しさとやりがいを感じています。
自分が好きだ!やってみたい!と思うことを、無理せず、自分のペースで活かせる仕事環境を見つけること。それが楽しく長く働き続けるための一番のコツだと思います。