
企業や個人がインターネット上で、不特定多数の人に対して仕事の募集ができる、「クラウドソーシングサイト」。クラウドソーシングサイトにはアンケートや口コミの作成、短いライティングなど比較的簡単にできる仕事や在宅で完結する仕事も充実しているため、「クラウドソーシングサイトで稼いでみたい」と考えている人は多いでしょう。
また、すでにクラウドソーシングサイトを利用して収入を得ている人もいるかもしれません。しかし、利用者からの「単価が低すぎて辛い」「報酬を上げる方法がわからない」といった声を耳にすることがよくあります。では、クラウドソーシングサイトで報酬をアップさせるにはどうすればいいのでしょうか。今回は、クラウドソーシングサイトで受注者と発注者、どちらの立場も経験した筆者がクラウドソーシングサイトで報酬を上げるコツについて詳しく解説します。
-この記事でわかること-
- クラウドソーシングサイトで報酬を上げるためには良い評価の積み重ねが重要
- 少しずつスキルアップしていくことも欠かせない
- プロフィールや提案文の作り込みも大切
- 自信を持って単価交渉するためには、信頼されるワーカーになる必要がある
目次
- クラウドソーシングサイトで報酬アップを狙う前に知っておくべきこと
- はじめの5~10件は安い単価の仕事で評価を積み上げる必要がある
- スキルアップは必須
- クラウドソーシングサイトで報酬を上げるコツ4選
- 良い評価を積み重ねる
- 魅力的なプロフィールを作成する
- 提案文を作り込む
- 積極的に単価交渉を行う
- 工夫を重ねて高単価案件の獲得を目指そう
クラウドソーシングサイトで報酬アップを狙う前に知っておくべきこと
クラウドソーシングサイトを始めたのはいいけれど、安い単価の仕事しか得られず辛い…という人は多いはず。たとえば、ライティングの仕事なら単価の低いもので1文字0.1〜0.3円という案件を多く見かけます。もう少し単価が上がり、1文字1円という案件も少なくありませんが、初心者の方は応募してもなかなか採用されないケースもあるようです。
また、クラウドソーシングサイトで多く募集されるデータ入力の平均単価は、以下のようになっています。
・文字単価:0.1円から1円
・時間単価:900円から1,300円程度
・固定報酬制:1件あたり10円から50円程度
時給で見ると、在宅でできる仕事で900円から1,300円程度は決して安くはありませんが、クラウドソーシングサイトではここから手数料が引かれるため、実際にはこれよりも低い時給になる可能性があります。また、パソコン入力が速くない人は、時給300〜500円程度になることも多いようです。
こうした現実を見ると、クラウドソーシングサイトで働くことを諦めたい気持ちになりますが、現在はクラウドソーシングサイトで高単価案件を得ている人も、はじめは非常に低い単価から始めた人ばかりです。
クラウドソーシングサイトで報酬を上げたいと考えたら、以下の点を理解しておきましょう。
1.はじめの5~10件は安い単価の仕事で評価を積み上げる必要がある
クラウドソーシングサイトにおいて、発注者(クライアント)が受注者(ワーカー)に発注をかける時、最初に確認するのがワーカーの「評価の数とその内容」です。クライアントが重視するのは、「良い仕事をしてくれるか」よりも「この人は信頼できる人か」「仕事を任せた時、最後まで責任を持って仕上げてくれるか」という点だからです。
そのため、単価の高い仕事ほど、より多くの良い評価をもつワーカーに発注が集まりやすい傾向にあります。反対に、評価がない、もしくは少ないワーカーの場合、よほど高い専門知識や経験がすでにあるという人を除き、単価の高い仕事はなかなか受注しづらいのです。
そこで、はじめの5〜10件は報酬を得るためではなく、「評価を集めるため」と割り切って低い単価の仕事をこなしましょう。高単価の仕事を次々に受注している人も、はじめのうちは低単価の仕事をいくつもこなし、評価を積み上げてきたという経緯があります。

「はじめから高単価の仕事を得るにはどうしたらいいか」と考えるより、まずは評価を積み重ねることが報酬を上げるための近道になります。
2.スキルアップは必須
仕事の単価アップを狙うには、常に学び続け、徐々にスキルアップしていくことも欠かせません。スキルや経験がないうちから高い単価の仕事を得るのは難しいため、低い単価の仕事をこなしながらスキルを身に付け、少しずつ高い単価の仕事にチャレンジしていきましょう。
たとえば、ライティングなら口コミや専門知識のいらない簡単な文章作成よりも、SEO記事やセールスライティングなど、専門のライティング知識が必要で、キーワードの上位表示や商品の購入につながる文章作成のほうが単価は高く設定されています。
また、ある特定の分野に詳しかったり資格を持っていたりすると、文字単価が高くなる傾向にありますので、特定のカテゴリーに専門性を持つ努力も必要です。
データ入力の仕事なら、時給アップを目指すためにはタイピングスピードを上げることが欠かせません。動画編集なら、より高度な編集作業ができるよう学んでいく必要があります。
評価を積み上げるだけでなく、スキルアップも同時に考えていくことが単価を上げるためには重要です。
クラウドソーシングサイトで報酬を上げるコツ4選
ここからは、クラウドソーシングサイトで報酬を上げるための具体的なコツを4つご紹介します。工夫を重ねることで報酬アップは十分可能ですので、一つずつ取り組んでみましょう。
<クラウドソーシングサイトで報酬を上げる4つのコツ>
- 良い評価を積み重ねる
- 魅力的なプロフィールを作成する
- 提案文を作り込む
- 積極的に単価交渉を行う
1.良い評価を積み重ねる
繰り返しになりますが、クラウドソーシングサイトで稼ぐには、良い評価を積み重ねることが第一歩となります。評価がないと、クライアントに発注の候補にさえ入れてもらえないこともあります。まずは多くの募集がかけられている口コミやアンケートなど簡単な作業に応募してみましょう。
また、口コミやアンケートなど低単価の仕事でも、クライアントから「○○の経験があるなら、もう少し高い単価のこの仕事も受けてもらえませんか?」と直接オファーが来ることもあります。
その場合、はじめから5,000円や1万円といった単価の仕事がもらえる可能性もありますので、そうしたケースも期待しつつたくさんの案件に応募していきましょう。
ちなみに、「クラウドワークス」の場合、ワーカーのプロフィールページには下記の画像のように評価の数や内容が表示されます。クライアントは仕事を発注する際にワーカーのこの評価を参考にしますので、できるだけ良い評価を積み上げていくと案件獲得に有利になります。

2.魅力的なプロフィールを作成する
より高い報酬の案件を得るには、クライアントに「この人に仕事を依頼したい」と思わせるプロフィールを作成することも重要です。過去の実績、経験したポジション、扱えるツール、得意分野などをわかりやすく記載し、ポートフォリオを充実させましょう。
たとえば、エンジニアであれば扱える言語や携わったプロジェクトなど、デザイナーであれば過去の制作物などを提示できるようにしておきましょう。
詳しいプロフィールを作成しておけば、評価が一つもない時点で高単価のオファーが直接来ることもあります。ただし、基本的には評価を積み上げることを意識しましょう。
ちなみに、「クラウドワークス」の場合、トップページ右側にある「プロフィールを編集する」をクリックすると、「ワーカー情報編集」(プロフィールの基本情報を編集できるページ)や「ポートフォリオ・経歴登録」などさまざまな情報を登録できる画面が出てきます。
ワーカーとして詳しく情報を記載するほど、クライアントにスキルや経歴が伝わりやすくなりますので、ぜひプロフィールページは充実させましょう。

3.提案文を作り込む
数ある応募の中からクライアントに選ばれるには、提案文を丁寧に作り込み、他のワーカーとの差別化を図ることも大切です。案件で求められていることをよく理解し、自分の経験やスキルがどのように役立つのかを伝えましょう。
単価の高い案件ほど、クライアントは提案文を重視します。とはいえ、毎回提案文を一から作るのは大変ですので、自分なりの「型」を作っておき、案件ごとにアレンジするのがおすすめです。
4.積極的に単価交渉を行う
評価を重ね、クラウドソーシングサイトでの仕事に自信がついてきたら、積極的に単価交渉をしてみましょう。特に継続案件の場合、単価を上げてもらうことはさほど難しいことではありません。もちろん、自信を持って単価交渉に臨むには、それまでの案件をきちんとこなし、クライアントから信頼を寄せてもらう必要があります。
クライアントの要求を満たした成果物を提出する、納期を守る、コミュニケーションを頻繁に取るなど、クラウドソーシングサイトで働くためのルールを守り、信頼されるワーカーになりましょう。
工夫を重ねて高単価案件の獲得を目指そう
クラウドソーシングサイトは手軽に仕事が見つけられる便利さがありますが、その分、単価の低さには多くの人が悩みます。しかし、実際には、クラウドソーシングサイトで高単価の仕事を受注している人がたくさんいます。今、高単価の仕事ばかり受注している人も、はじめは低い単価の仕事を請け負い、評価を積み重ねながらスキルアップしてきたからこそ、高い報酬が得られるようになっています。
「クラウドソーシングサイトは単価が低いから」といって、そもそも始めることさえしない人も多いですが、チャレンジしないのはもったいないことです。クラウドソーシングサイトで稼ぐための手順を知り、見せ方を工夫しながら高単価案件の獲得を目指しましょう。