40代は、多くの人にとってキャリアの中間点となる時期。この時期に資格を取得することは、新たなキャリアの道を開くだけでなく、個人的な成長にもつながります。また、「人生100年時代」と言われる昨今、50代や60代での資格取得も全く手遅れではありません。

そこで今回は、40代から資格を取得するメリットや取得を目指す際のポイント、そして40代以降の女性におすすめの資格を5つご紹介します。

この記事でわかること

  • 40代以降の転職は厳しいが、資格を取得することで競争力を高められることもある
  • 資格取得を目指す際は、実務に活かせるのか、また自分に合う資格なのかを見極める
  • 40代以降におすすめの資格には、簿記や登録販売者、日本語教師、介護福祉士、キャリアコンサルタントなどがある
  • 特に、登録販売者や介護福祉士は40代以降に取得し就職に役立てている人が多い

目次

  1. 40代以降に資格を取得するメリットとは
    1. 1.経験やスキルの証明になる
    2. 2.転職市場での競争力が高まる
    3. 3.将来のキャリアの選択肢を広げる
  2. 資格取得を目指す際のポイント
    1. 1.実務に活かせる資格なのかを確認する
    2. 2.自分に合った資格を選ぶ
  3. 40代から取得を目指すなら?おすすめの資格5選
    1. 1.簿記
    2. 2.登録販売者
    3. 3.日本語教師
    4. 4.介護福祉士
    5. 5.キャリアコンサルタント
  4. 登録販売者や介護福祉士は40代以降の人に特におすすめ

40代以降に資格を取得するメリットとは


40代になると社会経験や知識が充分に備わることから、独立やさらなるキャリアアップを視野に入れる人が多いでしょう。また、子育てから手が離れることで、新たな働き方を模索する人もいるはずです。

転職や再就職、キャリアアップを目指す時、大きな武器になってくれることもある「資格」ですが、40代から資格を取得することには具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

1.経験やスキルの証明になる

資格は、専門的な知識やスキルを持っていることを証明する手段です。特に40代以降は社会経験が豊富であり、資格を取得することでその経験を具体的に示すことができます。これにより、転職や昇進の際に他の人との差別化が可能になり、高い評価につながります。

2.転職市場での競争力が高まる

40代以降の転職は厳しいとされますが、資格を持つことで職業の選択肢が広がります。資格があれば応募できる求人の数が増えますし、より有利な条件での転職も期待できます。

3.将来のキャリアの選択肢を広げる

資格を取得することは、現在の職場でのキャリアアップだけでなく、将来的な独立開業や新たな職種へキャリアチェンジを目指す際にも役立ちます。50代や60代の方なら、定年後のセカンドライフを見据えたキャリア形成にもつながるでしょう。

資格取得を目指す際のポイント


これから資格取得を目指すなら、どのような点に気を付けるべきでしょうか。特に大切なポイントを2つご紹介します。

1.実務に活かせる資格なのかを確認する

まず、取得を目指す資格が現在の、または将来の仕事にどのように役立つかを考えてみましょう。資格を取得する目的が趣味や知識を広げるためであれば問題ありませんが、資格の中には取得しても実務に結びつきにくいものもあるからです。

キャリアアップや転職、再就職といった目的で資格取得を目指す場合には、実務に活かせる資格なのかをよく確認しましょう。

2.自分に合った資格を選ぶ

自分の興味や強みを生かせる資格を選ぶことが、学びを継続するモチベーションにつながります。単に「就職に有利だから」という理由で選んでしまうと、全く興味が持てず途中で挫折してしまう可能性もあります。

また、その資格と自分の能力や確保できる勉強時間が合っているかの見極めも大切です。自分に合う資格を選択することが、資格取得を成功させる重要なカギとなります。

40代から取得を目指すなら?おすすめの資格5選


次に、40代以降の女性におすすめの資格を5つご紹介します。40代以降の方におすすめする理由も解説していますので、資格取得を検討している方はぜひ参考にしてください。

1.簿記

・資格の概要

簿記資格は、企業の財務状況を正確に把握し、管理するための専門知識があることを証明する資格です。日本では、日本商工会議所が実施する「日商簿記検定」が最も一般的で、3級から1級までのレベルがあります。

・活用できる業種

簿記資格は数字を扱うさまざまな業種で活用でき、企業の経理や財務、会計といった部門で特に重宝されます。また、税理士事務所や会計事務所、営業職でも役立ちますし、在宅ワークでも活用しやすい資格です。

・資格の難易度

各級のレベルは、3級が最も基礎的で、1級が最も高度な知識を要求されます。合格率は、3級で約40%、2級で約20%、1級では10%前後とされており、レベルが上がるにつれて合格難易度も高くなります。

資格取得に必要な勉強時間は、3級で100~150時間、2級で300~500時間、1級で500~1000時間が目安とされています。

・40代以降におすすめする理由

簿記資格は就職や転職において有利に働くことが多く、中高年のキャリアアップにも役立つためおすすめします。40代以降の方は、独立や副業に役立つ資格として簿記を選ぶことも多いようです。

2.登録販売者

・資格の概要

登録販売者とは、一般用医薬品の販売や医薬品に関するカウンセリング・コンサルティングを行うことができる国家資格です。この資格を持つ人は、薬剤師に代わって第2類・第3類医薬品の販売を行うことが可能であり、医薬品の適切な使用をアドバイスする役割を担っています。

・活用できる業種

登録販売者の資格は、ドラッグストアや薬局、スーパーマーケットの医薬品コーナーなどで活かすことができます。また、健康食品や化粧品の販売を行う店舗でも、顧客へより専門的なアドバイスを行う際に役立ちます。

・資格の難易度

登録販売者試験の難易度は、合格率が40%台前半で推移しており、偏差値は45とされています。これは、「日商簿記検定3級」や「販売士2級」などと同程度の難易度です。試験は、医薬品に関する基本的な知識や法規、人体の働きと医薬品、主な医薬品とその作用など、幅広い範囲から出題されます。

資格取得に必要な勉強時間は、150~200時間程度が目安とされています。

・40代以降におすすめする理由

登録販売者の資格は、キャリアの幅を広げ、再就職に有利な資格のためおすすめです。特にドラッグストアは店舗数の増加が続き、それに伴い登録販売者の資格保有者の需要もあるため、就職市場で不利とされる40代以降の方にも大いにチャンスがあります。

登録販売者資格は、医療系の公的資格の中では比較的取得しやすいものの一つであり、薬学の専門知識がない一般の人でも、出題傾向をつかんだ勉強をすれば合格可能です。そして、年齢を問わず、医薬品販売の専門家としての道が開ける見込みがあります。

3.日本語教師

・資格の概要

日本語教師資格は、日本語を母国語としない人々に対し、日本語を教える専門知識を持つことを証明する資格です。国内外で日本語教育の需要が高まる中、特に重要な役割を担う日本語教師は、2024年4月に「登録日本語教員」として国家資格化され、その社会的な認知と権威が一層高まりました。

・活用できる業種

資格を活かせる業種としては、日本語学校、大学や専門学校の日本語教育部門、企業内の日本語教育プログラム、オンライン日本語教育サービス、地方自治体の国際交流プログラムなどがあります。また、日本国内で働く外国人労働者や留学生への日本語指導にも活用されています。

・資格の難易度

資格の難易度は、一般的にはやや高めとされており、合格率は17~30%程度で推移しています。試験は、日本語教育の基礎知識や教授法、言語学、文化理解など幅広い範囲から出題されます。

資格取得に必要な勉強時間の目安は、平均で400~500時間です。これは、毎日3時間勉強する場合約5ヶ月間の学習期間に相当します。しっかりとした学習計画と継続的な努力が求められるでしょう。

・40代以降におすすめする理由

まず、人生経験を活かせることや外国人労働者の増加に伴いニーズが高まっていること、国家資格としての権威性があることなどから、40代以降の方におすすめです。また、日本語教師はさまざまな雇用形態での働き方が選択できることや、未経験からでも高い就職率が期待できることも理由として挙げられます。

それに加えて、外国語を話せなくても日本語で教えるための専門性があれば十分であり、居住地に縛られずに働ける柔軟性も魅力です。

4.介護福祉士

・資格の概要

介護福祉士は、日本で唯一の介護に関する国家資格です。この資格は、高齢者や障がいを持つ人々に対する日常生活の支援や、心身の状況に応じた適切な介護を提供するための専門的な知識と技術を有することを証明します。

・活用できる業種

介護福祉士は、特別養護老人ホーム、デイサービスセンター、病院、地域包括支援センターなど、多様な場所で活躍することができます。これらの職場では介護福祉士の資格が高く評価されるため、キャリアアップにつながり、給与面でも優遇される傾向にあります。

・資格の難易度

介護福祉士は、他の国家資格と比較して比較的合格しやすいとされています。合格率は約70%で、試験は筆記と実技の両方から構成されていますが、多くの受験者は実技試験が免除されます。試験の勉強時間の目安は約250時間と言われており、半年から1年程度の準備期間を設けることが一般的です。

・40代以降におすすめする理由

40代以降の方に介護福祉士をおすすめする理由は、まず、介護業界では40代以降の転職が活発であり、経験豊富な中高年層が即戦力として非常に重宝されているからです。また、介護福祉士は実務経験を積むことで一層スキルアップすることが可能であり、40代以降のキャリアチェンジにも適しているからです。

さらに、介護業界は慢性的な人手不足にあるため、資格を持つことで就職や転職に有利であり、安定した職を見つけやすいというメリットもあります。以上の点から、介護福祉士資格は、専門的な知識と技術を持ち、多様な業種で活躍したい方、特に40代で新たなキャリアを築きたい方にとって、非常に有益な資格であると言えるでしょう。

5.キャリアコンサルタント

・資格の概要

キャリアコンサルタントは、個人のキャリア開発や職業選択に関する専門的なアドバイスを提供する国家資格です。この資格は、「職業能力開発促進法」に基づき、2016年に国家資格として誕生しました。キャリアコンサルタントは、キャリアの舵取りが企業から個人へ移った現代において、キャリアコンサルティングの専門家として活躍することが期待されています。

・活用できる業種

キャリアコンサルタントの資格は、人材業界や教育機関をはじめ、企業の人事部門、公共職業安定所(ハローワーク)、キャリア支援センターなど、多岐にわたる業種で活用できます。また、フリーランスとして独立開業する道もあり、副業としても活かすことが可能です。

・資格の難易度

キャリアコンサルタントの資格試験は、学科試験と実技試験から構成されており、合格率は45~60%程度を推移しています。他の国家資格と比較すると、難易度は中程度とされており、資格取得のハードルは比較的低いと言えるでしょう。

資格取得に向けた学習には、およそ200時間が必要とされています。この時間には、他の資格と同様に、教材の読み込みやノートの作成、問題演習などが含まれます。効果的な学習方法を見つけ、必要に応じて模擬試験なども利用しながら着実に目標に向かって進むことが大切です。

・40代以降におすすめする理由

40代以降にキャリアコンサルタントの資格を取得することは、これまでの職業経験や人生経験を活かし、他者のキャリア形成を支援するという新たなキャリアパスを開く絶好の機会になります。また、40代以降はキャリアの再設計を考えるタイミングでもあり、この資格の取得によって、自分自身の再就職やキャリアチェンジも有利に進められるでしょう。

さらに、キャリアコンサルタントは年齢を重ねることがプラスに働く職種の一つであり、社会的な信頼性や専門性を高められるため、40代以降の人にとって有益な資格と言えます。

登録販売者や介護福祉士は40代以降の人に特におすすめ

今回は、40代以降で資格取得を目指すメリットやポイント、おすすめの資格5つをご紹介しました。趣味と実益を兼ねてTOEICなどの語学検定に挑戦するのも良いですが、転職や再就職に直接的に結びつくような資格を取得したい場合は、今回ご紹介した資格をぜひ検討してみてください。

特に、登録販売者や介護福祉士の資格を40代以降に取得し、就職に役立てている人を実際に見かけます。自分自身の適性もよく見極め、資格取得を目指しましょう。