外で働くのが難しい女性にとって、「在宅ワーク」は気になる存在。中でも、「Webライター」は、どのような仕事でどのくらい稼げるのでしょうか。
そこで今回は、現役Webライターとして活躍する”かいすみれさん”にインタビュー。仕事内容や稼働時間、1ヶ月の収入など気になる点を詳しくうかがいました。
- 40代、夫と子ども2人(小2、年少)の4人暮らし
- 15年勤めた仕事を退職後、5年のブランクを経て在宅でWebライターへ
- 開始9ヶ月で月収20万円を突破
- 現在はライターのほか、リサーチやデザイン系の仕事なども請け負う
パートの面接で撃沈…家でできる仕事を探し始めた
━━Webライターのお仕事は、どのようなきっかけで始めたのでしょうか。
15年続けた仕事を子育てで辞めて以来、5年くらいブランクがありましたが、ある時仕事復帰したくてパートを探していました。
でも、幼稚園のお迎えが14時なので、時間的に条件に合う仕事がなく、パートの面接に行っても撃沈していたんです。
そんな時、あるビジネス系インフルエンサーさんのYouTubeで「Webライターなら、子育て主婦でも家にいながら月3万円は稼げる」という情報を見かけて。その場でクラウドソーシングサイトに2社登録し、5件くらい案件に応募したらすぐに仕事が決まり、1週間後くらいにはもう記事を書いていましたね。
━━始めたきっかけはインフルエンサーさんの情報だったのですね。では、現在は具体的にどのような業務を行っているのでしょうか。
まず、編集プロダクションに所属し、Webライターとして記事を書く仕事が1つ。あともう1つは、リサーチや、チラシ作成、ECサイトに載せる画像作成などデザイン系の仕事もしています。デザインの仕事は、元々ライティングやディレクションの仕事をくださっていたクライアントが別事業を立ち上げたので、そのお手伝いとして始めました。
そのほかには、自分のブログの運営や、noteでの情報発信もやっています。デザイン、画像編集は独学で学んでいます。トライアンドエラーを繰り返し、本やYouTubeで学び、実体験を重ねながら経験値を積む感じですね。
━━今の2つのお仕事は、どちらもクラウドソーシングサイトで得たお仕事が継続している状態でしょうか。
そうですね。編集プロダクションには、クラウドソーシングサイトから案件に応募してテストを受けて合格して、研修を経て所属しました。はじめは記事単価2万5,000円でしたが今は4~5万円になっています。
以前から知っている有名な編集プロダクションでしたので、ハードルが高いかなと思いましたが、「もしご縁ができたら勉強になる!」と思い切って応募してみたんです。
Webライターは、文字単価と労力が必ずしも比例しない
━━1週間、1ヶ月でどのくらい稼働されていますか。また収入はどのくらいでしょうか。
フリーランスなので仕事量によって変動はありますが、平日(月~金)はほぼ毎日稼働していて、1日の作業時間は3~5時間くらいです。土日の稼働はケースバイケースなので、稼働時間は平均すると1週間で25時間くらい、1ヶ月で100時間くらいでしょうか。
Webライターのほうは記事単価で仕事をしていて、今は1本4〜5万円くらいです。それを何本書くかで収入は大きく変わりますが、大体平均で1ヶ月15万円~20万円届かないくらいですね。もう1つのチラシ作成の仕事は、時給で仕事をしていて、こちらは大体時給2,000円くらいです。
━━Webライター1ヶ月目から9ヵ月目までの収入の推移を拝見しましたが、この中で収入や文字単価を上げるのに大変だったタイミングはありますか。
それは特になかったです。Webライターの仕事って、文字単価1円と2円と3円でそこまで中身が変わらないんです。1円から2円になっても、倍大変になるかというとそうではない。
私は単価を上げてくださいとはなかなか言えないタイプなのですが、ありがたいことにクライアントのほうから「よくやってくれているので文字単価上げますね」と言っていただきました。経験値が上がってくると、クライアントの求めるものが何となくわかってくるので、逆に慣れてきて楽になりましたね。
━━Webライターに必要なスキルはどのように身に付けましたか?
主に書籍やWebライター向けのブログ記事、YouTubeなどでの独学、さらにクライアントのマニュアルやフィードバックで多くを学びました。特に、ディレクターさんからいただくフィードバックは参考になりましたね。「あなたに足りないのはここ、直すのはここ」とピンポイントで言っていただけるので、成長スピードが各段に速くなります。
あとは、クライアントのマニュアルです。Webメディアの状況って刻一刻と変わっていくため、最新バージョンに合わせたマニュアルをそれぞれみなさん作られています。最近はAIの台頭が著しいですし、Webライターの仕事はグーグルの方向性にも左右されますので、そういう動きを敏感に察知しないといけないですね。
仕事と家事、子育ての両立は「仕事を詰め込み過ぎない」のがポイント
━━1 日のスケジュールを教えてください。
1日のうち集中して仕事ができるのは、10時〜14時です。あとは子どもたちの様子を見ながら、20〜30分の細切れの時間を見つけて、記事の見出しだけ書いたり画像編集したりしていますね。夜は自分の体調などと相談して、21〜23時くらいまで作業する時もあります。
━━仕事と子育て、家事の両立で何か工夫されている点はありますか?
以前、仕事のボリュームを増やし過ぎてバランスが取れなくなり、子どもたちにイライラしてしまうような時期がありました。その経験から、自分のメンタルのためにも、「どこにも無理が生じないバランスを知る」ということが大切だと気づきました。今は仕事を詰め込み過ぎないよう調整して、一番いいバランスで仕事できていますね。
━━仕事の中で楽しいこと、やりがいを感じていることは何かありますか。逆に、大変に感じることは何でしょうか。
今は新規事業で海外向けのサイトを手伝っていて、海外のお客様の動向や、どんなものが好まれているかとか、そういうのをリサーチするのがすごく楽しいです。たとえば、ドラッグストアやデパートへ行き、海外のお客様ってどんな店で何を買っているんだろうと調べたり。Webライターの仕事から派生して、こういう仕事に広がっていく可能性もあるんだと実感しています。
一方で、Webライターは大変ではあります。自分で記事を書くという、産みの苦しみのようなものがある。私がやっている記事作成は、SEOという検索上位に食い込ませるためのライティングなので、ライターとしてできる範囲が限られる中、どのようにやるか考えるのは脳みそがフル回転して疲れます。でも、しんどい仕事ですが、自分には合っていたのかなと思いますね。
━━これからの展望や目標などはありますか。また、Webライターの仕事が気になっている人に向けてアドバイスをお願いします。
今は時間的に難しいですが、下の子が小学校に入ったら、今度は逆に会社勤めを始めてみたいです。パートでもいいので、チームで働くなど誰かと一緒に働きたいですね。今年の目標としては、今の案件をやりつつ自分のブログやSNSの発信も少しずつ伸ばしていきたいです。
Webライターは、始めるにあたって本当にリスクの少ない仕事です。パソコンのスペックもそこまで必要ないし、特別なソフトやツールを買う必要もありません。応募した案件が不採用だったとしても、また次の案件に挑戦すればいいだけ。文章を書くのが嫌いじゃないなら、ぜひやってみてと伝えたいですね。
※インタビュー実施日:2024年2月28日(水)